2014/07/16

KYOTO DANCE CREATION vol.3 参加振付家紹介パート4

さて、本日はKDC参加振付家紹介パート4といたしまして、私事ではございますが、京極朋彦×山崎阿弥の紹介をを書かせていただきます。写真は自分で撮れないので、リハーサル映像を切り取ったもので、ちょっと荒いのですが、、、。

今回この二人は構成・演出・振付に連盟でクレジットさせていただくことになりました。

それはリハーサルを経て、二人共がその役割を担っていることにたどり着いたからです。

そして何より、そもそも僕自身が、振付家として、阿弥さんを上手く振付できるような力がないというか、その必要性を感じなくなっていったというのが本音です。


山崎阿弥さんは声のアーティストであり、映像作家であり、インスタレーションも作り、絵もかく人であります。
阿弥さんを文章で紹介するのはとても難しいのですが、今まで彼女と何度か共演させていただいた中で僕に言えることは、全身全霊でぶつかっていかなければ、負ける。そんな人です
だからこそ二人がフラットに、名前を連ねること。互いにアーティストとしてその場に立つことが作品をより面白いものにするのではないか?自分も阿弥さんも大いに鍛えられ、新たな関係性が生まれるのではないかと考えました。

僕が阿弥さん初めて出会ったのは2012年のWhenever Wherever Festivalで、その時は挨拶させていただいただけだったのですが、同じ年に阿弥さんが出演された公演を見て「この人はすごい!」と思い、翌年のWhenever Wherever Festivalで一つのプログラムをやらせていただくことになった僕は、真っ先に共演をお願いしました。

そのときは「この作品は僕に任せてください」なんて言って、構成をかなり決めてやっていました。
今となっては恥ずかしいですが、勿論それはそれでやりきりましたし、良かったと思っています。
その後、阿弥さんが青森にレジデンスアーティストととして滞在された時に呼んでいただき、阿弥さんの製作されたインスタレーションとWS参加者の皆さん、そして阿弥さんと共に踊らせていただきました。
僕はこの青森滞在で、阿弥さんとの共演の、他の人にはない特別なところを見出した気がしました。それはネガティブな意味でもなんでもなく、構成や段取りなんて「なんでもいいんだ」という気持ち、感覚です。
それは何もかもがデタラメで良いという意味ではなく、阿弥さんとの関わりの中で生まれてくるものの中には、形はどうであれ「なんでもいい」と思える瞬間がある。
そしてその「なんでもよさ」を生み出すということは、とても大変であるということも学びました。

今回は三度目の共演となるのですが、それでも最初は20分の「作品」を作ろうとしていました。
しかしリハーサルを続けていくうちに「毎回違う道を通る」ということをしてみたいという結論に達しました。

初めから阿弥さんは音楽、僕はダンスと領分を分けるつもりはなかったのですし、今までもお互い動き、お互い声を発するパフォーマンスをしてきましたから、阿弥さんとなら、いろんな制約や決まりを捨てても成立するような自由さを獲得できるような気がします。

今回はお互いが今までやってきたことをフルに使って、四回本番、四回の旅をするということに決めました。

自分の作品が作品と呼べるかどうか、自分のことなので客観的に紹介文を書く事が難しいのですが、今回の作品は、おそらく毎回違う印象をお客さんに与えることになると思います。

意見も様々、感想もバラバラになると思います。しかし僕は今、それで良いと思えます。
むしろ山崎阿弥さんという人を京都に呼んできて、同じことを4回やるなんてもったいない。4回のチャンスをフルに活かして、今までたどり着いたことのないところに行ってみたい。
それが今回のテーマになりました。

正直、企画の代表としては、若手振付家の作品発表の場という設定を自分でしておきながら、自分はいわゆる反復可能な「振付」というものにこだわらないというスタンスを取ることに、迷いが無かったわけではありません。
これだけ不確かなものをラインナップの中に挟むことが、全体にどのような影響を及ぼすか、そのことも考えなかったわけではありません。

しかし、今回、参加していただいた皆さんのダンスをそれぞれ実際に稽古場で見させていただく中で、それぞれにすばらしくて、自分は「これでいい」と思いました。

そもそも振り付けの定義というものは様々有り、反復可能なものだけが振付ではありません。さまざまな振り付け方法があり、そのどれにも面白さがある。私は今回最多人数の参加振付家の皆さんに後押しされて、この決断をすることが出来たと考えています。

KDCが三年目を迎えるにあたって、僕自身もこの企画に教えられ、鍛えられてきました。
今自分がどうすべきなのかは、いつも人に教えられます。しかし結局のところ決断するのは自分自身です。

ぜひ、京極朋彦×山崎阿弥を劇場に見に来てください。
お待ちしております。

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