2016/01/18

2016年 今年の抱負


新年あけましておめでとうございます。
ずいぶん遅いご挨拶になってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
突然ですが2016年の私の抱負は「縁を大事にする」です。

昨年は2012年からつながった縁でウィーンに呼ばれましたし、日本国内も様々な場所に呼ばれて踊る機会を頂きました。人と人の縁を大事にしていれば、人間そう間違った方向には行かないんじゃないかなと思います。

なぜ今年の抱負が「縁」なのか、そしてなぜこんなに新年のあいさつが遅れたのか(汗)と言いますと。。。

実は年明けから私は島根県は出雲にダンス合宿に行っておりました。
私の今年初めの出演舞台は2月、横浜ダンスコレクション2016、コンペティションⅠ ノミネート作品『四角形のゆううつ』(振付・演出:伊東歌織)です。

この作品のリハーサルをするために私と振付家の伊東歌織さんで10日間、出雲に滞在しました。
写真はリハーサルの合間に訪れた稲佐の浜にある弁天様。それはそれは美しく、気持ちの良い場所であると同時に、少し神様に近すぎる恐怖というか畏敬の念を持ちました。

出雲という土地は言わずと知れた日本の聖地です。
この作品の振付家である伊東歌織さんが、なぜここ出雲で合宿を行うことになったかという経緯は話せば長くなるのですが、短く言うと、歌織さんの意向と、今までの活動が、出雲に住んでいる高須賀千江子さんとの縁をつなぎ、その不思議な力によって私も出雲に呼ばれた。そんな感じです。

少々掻い摘み過ぎですが、とにかく人と人の縁の力によって、いろいろなことが奇跡的に合致して今回の合宿が実現したということです。

そしてその縁の力には続きがあり、僕の母校、京都造形芸術大学の後輩との繋がりで大学時代にお世話になった方が立ち上げた温泉津神楽連中の稽古を見させていただくこともできました。嬉しい再会があり、ここにも強い人の縁の力を感じました。

そして私は今回の10日間の旅の中で、こういった縁というものは、本当に尊いものだなと感じました。
10日間もの滞在を快く承諾いただいた高須賀さんをはじめ、出雲の皆さんに本当によくして頂いて、本当に実りあるリハーサルができました。
東京ではなかなか確保できない広い稽古場が無料だったり、自然に囲まれながら長時間ゆったりとリハーサルができたりと、環境的には最高で、この土地での合宿が作品によい影響を与えたことは言うまでもありません。

そして何より人々の影響も計り知れません。リハーサルを見に来てくれて、お土産までくれたり、車でいろいろなところを案内してくれたり、出雲の歴史について熱く語って教えてくれたり、本当に出雲の人達は人間味にあふれていました。

私は出雲の人達に、人間の本来あるべき姿を見たような気がします。先祖を敬い、まじめに働いて、当たり前に助け合う。
東京に帰ってきて、雪の中、スマホに視線を落とし、背中を丸めながら移動する黒みがかった人々の群れを見た時に、これは果たして人の本来あるべき姿なのか?と改めて考えてしまいました。

私は高校まで育った東京が嫌で京都の大学に進学し、その後10年京都に住み、去年から仕事の都合でまた東京に帰ってきたものの、東京から受ける印象は高校の頃とほぼ変わっていません。

「芯を持っていないと倒れる街、東京」

京都でその芯をダンスと決めて帰ってきたものの、今でもその力は強く、たまに倒れそうになります。そんな時、今回の出雲や、昨年のウィーンなどに呼ばれる機会があると、腹にぐっと力が入り、起き上がる力をもらえるような気がします。

そしてそれらは皆、私を呼んでくれた人、出会った人、などの人と人の縁の力、何かを信じるとう問い力のなせる業であり、それには自分自身の行いがすべて関係しているのだと思います。
今まで私の周りには離れて行ってしまった人もいるし、合わなかった人もいます。それらも含めて縁の力であり、それは自分自身が作っていく力でもあるのだと思います。

だからこそ今年もよい縁に恵まれるように、今ある縁を大事に、さらなる縁を結んでいけたらと思うのです。
長くなりましたが、ここに自分への戒めの意味も込めて今年の抱負を書き記しておきます。
最後に合宿に連れて行って下さった伊東歌織さん、本当にありがとうございます。
おかげで今年の抱負をバシッと決めることが出来ました!2月、ダンサーとして頑張ります!

皆さまにおかれましても、2016年がよい年でありますように!!
今年も様々な場所で皆様のお目にかかれますよう、精進してまいります。

京極朋彦