2011/12/31

2011年を振り返る

大晦日ですね!

僕は今数年ぶりに実家でゆるりとした年越しができそうです。そこでホントに怒涛の一年であり色々な転換期でもあった今年を、振り返ってみようかと思います。

今年は東京、横浜に“導かれた”年でした。京都を拠点に活動と、うたっておきながら、今年京都で踊ったのは6月のイベントだけで、あとは大阪で一回、その他すべて東京、横浜での公演でした。。。

今年京都、東京間を何回往復したか、わかりません。。。
おかげて夜行バス会社の方に、顔を覚えられ、受付作業がスムーズになる一方(笑)
このまま顔パスで、ただで乗せてくれるんじゃないか?っていう勢いでした。

そんな夜行バスの中で考えていたことといえば、18で東京を出て、今年27になったなぁってこと。

高校時代、「東京は何でもあるけど、何にもない。何もわからないまま、この街に大人扱いされながら生きていたら、ほんとの大人になった時、何にもない大人になってしまうんじゃないか?」なんて、カッコつけてた頃に比べて、今の自分はどうかいな?って。

でも、僕が京都行きを決めたのは、実際にこんなことを考えていたからで、100ある中から1を掴むことができなかった僕は、情報量の少ない場所で、たった“一つ”を掴んでみたいと思い、京都に来たのでした。

あれから10年弱、ダンスという“一つ”を握りしめて、僕は東京に戻ってくることになります。

東京は10年前も、震災後も、やはり自分にとっては情報量が多すぎて、息がしずらい。
しっかりと自分の呼吸法を持っていなければ、簡単に倒れてしまう。
思春期の悩みの大半は、この呼吸法を探すことだったと思う。僕はやっと京都に来て、まっとうに呼吸ができるようになった気はしています。

しかしながら、東京の空気は東京でしか吸えないのも事実。情報が溢れ、常に流動し、独特のうねりを見せる大気の中で、その空気を吸いながら活動する人々の強さ、したたかさ、その美しさには、東京でしか、出会えない。それがいいことか、悪いことかなんて誰にもわからないけれど。

そんなこんなで、来年から僕は京都で自身のカンパニーを立ち上げることにしました。
この決断ができたのも、今年の東京通いの、おかげだと思っています。東京のダンスの状況、社会状況、そして東京に住む家族、友人、大切な人達と、自分の今置かれている状況、京都の友人達と京都の空気。多くの要因に、導かれるようにして、この決断が導き出されたと思います。

だからこそ今年は“導かれた”年だな、と。
それは18の時、京都に行く、というたった一つの決断が、様々なうねりの中で、様々な要因を巻き込み、今になって自身に帰って来たような、そんな感覚です。だから今回のカンパニー結成は、なんの根拠もないけれど、イケる気がする笑

何を持ってして“イケる”のかなんてわかんないけど、間違っちゃいない感、ハンパ無いっていうか。これしかないでしょ!みたいな?
と言うように、急に文章が軽くなったのは、自信の無さの現われですが。。。

でも一つ言えるのは、僕が京都で獲得した呼吸法で、生き方で、始まったばかりのダンス人生に希望を持ってみたっていいと思っているのです。ついでに言えば、まだまだケツの青い若造が人生人生言ってねーで、とにかくやれよと思って。

84年生まれ、元気ないとか言われるけど、僕は全然そんなことを感じていません。むしろ僕の周りは歯食いしばって、見えないところで力貯めてるやつらが多い気がする。まだ表に出てこないから元気ないとか言われるけど、これから日本は変わっていくわけだし、次はそいつらが時代を作っていくんだと思っています。

そして僕はダンスで、上手く呼吸のできなかった10代の私に、わずかでも深呼吸を許してくれた東京の同級生、同世代の友人達に、恩返しをしたいと思っているのです。

て、ことで今年の公演、出演作をゆるく、オフショットで振り返りたいと思います!

来年のみならず、今後とも京極朋彦をよろしくお願いします!

2011年2月
◆横浜ダンスコレクション受賞者公演『Catch』 @横浜赤レンガ倉庫 出演
CI部と私の歴史はここから始まりました。いつか赤レンガでまた踊りたい!

◆TPAM in Yokohama 京極朋彦ソロダンス企画『カイロー』 @横浜STスポット 振付、演出、出演 
45分無音のソロは海外のディレクターにも好評でした!一日3ステやってアフターパーティにも出たっていう過酷な一日だった。。。

3月
◆倉田翠+京極朋彦『頼むから静かにしてくれ』 @天王寺ロクソドンタブラック 振付、出演
大学の後輩とのデュオ。お互いの体の違いに改めて驚きながらの刺激的な作業でした。

4月
◆青年団若手自主企画 ブライアリー企画『川と出会い』 @アトリエ春風舎 出演。
イギリス人バレリーナをリフトしまくるという貴重な体験をしました。青年団の方々とも沢山知り合えて楽しかった!

6月
◆LOVE SONGS in KYOTO 京極朋彦+和田聖来 @Urbanguild 振付、出演
自分の好きなラブソングに振りを付けるという、一夜限りのイベントに誘って頂き、初めて作品をご一緒させていただくダンサーさんとの共同作業。おかげさまで、好評でした。

8月
◆ソロパフォーマンス『ぜんぜん関係ない』 @Performing Galley絵空箱 振付、出演

写真展とインスタレーションの展示の中でのソロパフォーマンス。これを見てくれたオーナーさんが、12月の企画に誘ってくれました。

11月
◆京都国民文化祭 すごいダンスin府庁2011『はじめまして、こんにちは、いいお天気ですね』
倉田翠×きたまり×京極朋彦 @京都府庁旧本館生庁

大学の先輩、後輩に挟まれて、旧京都府庁で踊らせていただきました。床が赤絨毯で、もっふんもっふんでした!


◆アンサンブルジェネシス×神村恵『エウリディーチェの嘆き』
 @KAAT 神奈川芸術劇場中ホール
振付の神村さんの助手として稽古場につかせていただきました。学ぶべきことが多すぎました。公演も本当によかったんだなぁ

パフォーマンス・ドキュメンタリー上映会:pillow talk #3京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
『カイロー』横浜verの上映会。実はこの映像はポーランドの「JAPANESE PERSPECTIVE NOW !」というイベントで上映されました!普段舞台を見に来られないひとに作品を見て頂いて本当に嬉しかったです!



◆映画『SLOW LIFE』プレミア @京都日仏学館 ヴィラ九条山

フランス人映画監督、クリスチャンの最新作に出演しました。スクリーンの写真、一番左がクリスチャン。右の写真は衣裳を担当してくれたジョゼ。

12月
◆ダンス☆紅白2011 @東中野RAFT 出演
北島三郎先生の『まつり』でソロを踊らせていただきました。こういうイベント、実は大好きです。


◆演劇ユニット・永島庭園&絵空箱・吉野翼プロデュース 「演劇実験的SEPARATEパフォーマンス」 『細氷』 Diamond Dust @Performing Galley絵空箱 出演
久々の演劇作品への出演。ダンサーとしての自分の引き出しが、全開に引き出され、ひっくり返される、演劇の力を実感した公演でした。左のジョジョフィギアは本編には関係ありません。

◆CI部collection HAM!!!!! 宝栄美希+京極朋彦+カワイヒトシ@シャトー小金井2F


2月にご一緒させていただいたCI部の部長こと宝栄さんと、ミュージシャンのカワイさんとの一年ぶりの再会!沢山のダンサーさんとの出会いもあって、楽しかった!

2011/12/24

演劇ユニット・永島庭園&絵空箱・吉野翼プロデュース 「演劇実験的SEPARATEパフォーマンス」 『細氷』 Diamond Dust


無事終了しました!

ご覧の通り、今回、写真の通り囲み舞台でハケ口なし、70分間、踊りっぱなしの舞台でした。

久しぶりの演劇作品への参加でした。しかも稽古は実質4日!!本当に濃密な時間でした。そしてとても実りのある時間になりました。

全三回公演もあっという間に過ぎて、公演後、三回中、三回とも男性に握手を求められるという、ある意味ハットトリックを達成しました。衣裳が衣裳だっただけに・・・

それにしても久しぶりの演劇の現場で、色々新鮮でした。言葉の力、体の力、その両方を信じたい。

来週はCI部セレクション<HAM>参加します!まだまだ年内、頑張りまっせ!

CI部collection HAM!!!!!

[CI部員+相方+MUSICIAN] 
コンタクトベースのデュオと生演歌によるインプロの要素を持った、計5組によるパフォーマンス+インプロジャム。

CI部ブログ http://chi-bu.jugem.jp/

<出演>
宝栄美希+京極朋彦+カワイヒトシ 

手代木花野+ヤスキチ+堤博明
菅彩夏+中川麻央+藤原右裕
菅佐原真理+鈴木よう子+平林秀夫
石井則仁+美木マサオ+(未定)

<日時> 2001年12月27日(火) 19:00 Open 19:30 Start
<会場> シャトー小金井 http://chateau2f.blogspot.com/
<料金> 2000円(1ドリンク付)
<予約> お問い合わせ c.i.ham.2008@gmail.com

2011/12/11

ダンスで紅白歌合戦!!


ご無沙汰してます。只今ダンス☆紅白真っ最中です!会場はこんな感じ!
明日も19:30から東中野RAFTです!

DANCE紅白☆2011

ダンスで紅白歌合戦!!豪華メンバーが踊る、今年の締めの一曲

<出演> 南弓子、新宅一平、吉福敦子、岡田智代、岩崎一恵、武藤容子、京極朋彦
岩渕貞太、関かおりは11日のみ出演

<日時> 2011年12月10、11日 各回 19:00開場 19:30開演

<会場> RAFT 東京都中野区中野1-4-4  03-3365-0307  http://www.purple.dti.ne.jp/raft/

<料金> 予約 ¥2300  当日 ¥2500

<予約> yumizaburou3@yahoo.co.jp

2011/11/03

新たな挑戦です!

さて、本っ当に、長らくの間、サボっていしまっていたブログ。やっと更新します。

というのもこの9月、10月と自分史上最も忙しく、最も落ち着かない二ヶ月でした。忙しさは、いろんなものを得るとともに、いろんなものを失います。それを痛感した二カ月でした。

しかしこの二カ月があったおかげで、一年後までの見通しが立ち始めました。まだまだ確定ではないのですが、少しずつ、自分がどのように創作活動を継続していくか?何を選び、どこに行くか?その指針が見えてきました。

その一つとして、来年から京都でカンパニーを立ち上げます。ダンサー4人、制作一人、音楽家一人の計六人。今まで活動してきた中で、信頼のおけるメンバーが揃ってくれました。ありがたいことです。

今までソロでの活動が多かった分、これは自分にとって新たな挑戦です。
いつかは集団で作品を作りたいと思っていましたが、なかなか踏み出せず、今回も散々迷った挙句の決断でした。ともあれやるからにはしっかりと準備して、納得のいくものを作りたいと思います。

ということで、カンパニーの事始めに、いきなり単独公演も出来ないので、来年の夏、京都でダンスのショーケースを企画したいと思いました。20分作品の三本立て。僕の団体と、関西の若手団体二組の共演です。

何となく集団で継続的に作品を作る若手団体が少ない京都のダンス界。ちょっとつついたら面白いことしそうな人はいっぱいいる気がするので、これを機に、いくつかの団体が集い、切磋琢磨し合う場を作りたいと思います。

そして大切なのは継続と発展。この企画を継続して行き、ゆくゆくは大学出たての作家たちが目標にするような場になればと思います。

と、ここまで言っといて、そんなたいそうな話が、ホントに実現するんかいな?という感じですが、実は、2012年夏、京都、アトリエ劇研で実現しちゃうことになりました!

詳細は決まり次第、随時ブログで更新していきますが、開催日程は2012年7月21、22日。まだなんも決まってないに等しいですが、ともかくやります。やるからには面白いものにします!

とはいえ、作品自体を作り出せるのは来年の5月から。。。それまでは、ひたすら地味な基礎工事です。でも、自分が本当に楽しいと思えることは、自分で作るしかないんです。自分でやるから大変だけど、自分でやるから楽しい。楽しいからこそ、続けられます。

この怒涛の二カ月間で、そんな単純なようで、なかなか出来ないことを実現している人に沢山会い、多くを学びました。

そして、そのことが僕を今回の決断に踏み切らせてくれたと思っています。とにかく具体的に来年、再来年を視野に入れつつ、こつこつとやっていきたいと思います。今後とも京極朋彦を、京極朋彦ダンス企画を、よろしくお願いします!

ちなみに、もちろんソロ活動も継続します。次回出演は12月10、11日、東中野RAFTです。詳細はNEWS欄にて!

2011/09/18

創作者の言葉

「行為している人の言葉というものと、議論している人のことばというものは違う」

この一週間、東京で三人の振付家、一人の演出家と作業を共にし、さらに一人の振付家の作品を見るという、濃いダンスウィークを過ごす中でふと、この言葉が思い浮かびました。小説家の小川国夫の言葉です。

ほとんどが僕より年上の方々で、彼ら、彼女らと語らう中で感じることは、彼ら彼女らの言葉は、それぞれにクリエイティブで、それぞれに、それぞれの哲学があり、やり方があり、譲れないことが、それぞれにあるということ。

一城の主にまでのし上がった人に関して言えば、これは当たり前のことです。それ相応の苦労や経験をして、その哲学、その言葉を手に入れるに至った。そんな彼らの言葉に説得力が無いはずがありません。

彼らは、生活するためにヨガを教えたり、ミュージシャンのPVの振付をしたり、ワークショップをコツコツしたりしながらも、やっぱり舞台でしかできないことがあると、信じてやまない人々であり、そうして続けていったからこそ、何とか生活していけるようになった。(それだけ苦労しても大金持ちにはなれないという現状は今回はおいといて)だからこそ舞台にかける人々の情熱は半端ではないのです。

そんな情熱を持ったあるカンパニーの主宰の方に、飲みの席で「ソロダンサーは甘い」と言われ、ドキッとしました。

ソロダンスが多い僕は集団での創作や、劇団、あるいはカンパニーを主宰している人から見れば、せせこましく、細々とやっているように思われるようで、かなりショックでした。

しかしよく考えてみれば、デュオの作品を作った時はソロの何倍も大変でした。そう考えるとソロダンスは甘いのかもしれません。責任は全て自分にある分、傷つくのは自分一人で済むから。

しかし僕もまだまだ始めたばかりではありますが、一回一回それなりに責任はとってきたつもりですし、苦労の背比べとか、不毛ですし、ソロとかグループとか、向き不向きがあるだろうから、あんまり気にしないですが、やっぱりこうやって書くってことは、ちょっと気にしてるのかも・・・とか思いつつ。。。

しかもちょうど来年に向けて、グループワークを展開していこうかと考えていたので、なんとなく今回言われた言葉が、ズシッっときて、逆に今後を後押ししてくれるような気もします。

やはりそれなりにやってきた人の言葉は、よくも悪くも重量があるってことですかね・・・


2011/09/11

ダンスについて思うこと

さて、9月11日です。あれから10年が経ちました。

この日が来るたびに思い出すのは、当時高校生だった自分の姿です。

当時は学園祭の直前で頭の中はクラスの出し物のことでいっぱい。連日連夜の練習で毎日終電帰宅するような毎日を送っており、「同時多発テロ」と言われても、「なんか大変やな」ぐらいなもんでした。

時が経つにつれて、事の重大性に気づいて行くわけですが、当時は本当に「蚊帳の外」でした。厳密に言えば今も「蚊帳の外」であることに変わりはないのかもしれません。しかしながら今日という日が福島の原発事故から半年ということもあり、いろいろ考えさせられる日です。

実を言えば最近ブログの更新が途絶えていたのも、このことについてぐるぐると考えを巡らせているうちに、正直、踊りたくない、踊れない、何もする気になれないという思いがふつふつと込み上げて来たからなのでした。

震災直後、ダンスに出来ることが必ずあると意気込んでやってきたのですが、夏のチャリティーイベントが終わった瞬間に、ぽっかりと時間が空いたせいもあって、一気に落ち込んでしまいました。

思えば震災直後、落ち込むまいとして、気を張っていたツケが、今になってどっと押し寄せたのかもしれません。「アーティストとして」とか「大人として」とか張り詰めていたものが一気に崩れてしまったのかもしれません。

果たしてこれからダンサーとしてどうしていくべきなのか?という問題から、ただただ忙しくすることで、逃れようとしてきた分、ふと、時間が空いた時にその問題の深さに愕然となった。それが今回の落ち込みの原因なのかもしれません。


しかし、それでもダンスに関わっていたい、止めてはいけないという気持ちは今も途絶えてはいません。むしろこの体験が、自分をよりダンスに向かわせるかもしれません。

そして現在は振付家さんの助手をさせていただいています。

「いまさらなんで助手なの?」と言われますが、今自分にとって、この工程は必要だと思うのです。
もう一度ダンスとの関係を見つめなおし、自分の方向性を確かめたい。今はそう思います。

幸いにも先々に出演の依頼も頂いているので、今立ち直らなければ誘って頂いた人たちに申し訳ないという思いもあります。

そして、こうして書くことで、発信していくことで、少しずつ、また歩き出そうとしています。また必ず表現者として戻ってくるための一歩。今は踏ん張りどきです。

その第一歩として、考えていたことをまとめてみました。と言いつつも、全くもってまとまっていない気もするのですが、ご一読くだされば幸いです。


「これから先の未来のために、ダンスに関わるものとして一体何が出来るのか?」


この問いに対して、ダンスに関わるものとして、どのような応答が出来るのかを考えたとき、自分がそこから多くを学び、救われてきたダンスというものを、自分自身が続けなければという思いが、以前に増して強くなりました。

たとえ自分に才能がないとわかっていても、続けることに意味があると。

自分がいかにダンスに救われたかや、舞台に立つ喜びについて、話す事はできます。しかし、このダンスというとらえどころのない分野を未来に継承していくのは、やはり人であり、体なのだと思うのです。

だからまず大前提に私たちは生きなければならないし、自分の身は自分で守らなければならない。ダンサーとして、ダンスできる体を保たなければならないのです。

それは、映像や記録、教育や制度も去ることながら、ダンスの喜びや楽しさを伝えていく最も強い伝達媒体はダンサーの体とその生き方なのだと思うからです。

自分も現役で踊るダンサーの体、その生き方から多くを学びました。それはダンスの事に限らず、実人生を生きるヒントでもありました。

人として迷いながら、焦りながら、それでもダンサーとして戦っている彼らの姿は、私を何度も勇気付けてくれました。それは技術や作品以外の、その人のイメージ、生き様みたいなもので、むしろそういった部分から私は多くを学んだ気がします。

さらには、そういった先人達が私を受け入れてくれたことも今でも私がダンスを続けている大きな原因でもあります。

私がダンスを始めたのは成人してからでしたし、技術もなけりゃ経験もありませんでした。
にもかかわらず、先人たちが「お前のその動き、生き方がダンスになるんだ」と、教えてくれました。
それは私にとっては大げさですが「お前は生きていいんだよ」と言われたような体験だったのです。

まあ完全に勘違い野郎であり、おだてられて木に登ったタイプであることは間違いないのですが、そんな体験を生み出せるのは、やはりダンスの力だと思うのです。大げさではありますが自分はダンスに救われました。

そんな自分に、もし僅かでもこれから先、出来ることがあるとしたら、それは自分と同じように生き方に迷い、生きる事に所在なさを抱えて動けなくなっている人に自分の、たった一つの物語を体を持って、伝える事だろうと思うのです。

物語自体は一個人の、ちっぽけな話だけども、その人間は今、この瞬間も一人の人間として迷い、焦りながらも戦っている。
その姿を、誇りを持って生で、目の前で見せられる事。それはものすごく小さな事だと思いますが、そんな小さなことが、一人の人間を生かすかもしれない。そう思うと、自分も生きることに少しだけ希望が持てる気がします。

ハッキリ言って自分は地味です。派手な事には向いてないと思っています。そして自分が出来ることはかなり限られている。ましてや自分が人に教えられる事などほとんどないと思っています。

ただ、人並みに生まれて、生きて、死ぬ甲斐を探し求めるだけの野心はある。

だからこそ僅かでもいい。自分のダンスが、自分の生き方が人の心に止まればと思うのです。

近い将来、私たちの原発や政府への無関心に端を発する罪を、子供たちは糾弾するでしょう。

その時に私たちは何を語るか?それを聞き取る若い耳は、私たちの言葉だけでなく、どんな生き方をしてきた体から、私たちの言葉が発せられているか?その仕草、その響きまでも、鋭く聞き取る事と思います。

そんな鋭い耳、射るような眼差しを、今を生きる誰もが免れることはできません。

そして、この糾弾に対して、私は政治家でもなく、学者でもない、ダンサーとして応えなければならない。

そのことが自分をダンスに向かわせ、ダンスを続けさせ、かつて「蚊帳の外」にいた、ただの高校生に、ダンサーと名乗る勇気と責任を与えてくれるのかも知れません。

そして数年後、今回の震災が自分を以前よりダンサーにしたと言える日が来るのかもしれません。

2011/09/08

年内の予定!

久しぶりのブログ更新です。

久々すぎて何を書いたらいいか、よくわからなくなっていますが・・・

とりあえず季節はすっかり秋。夏はいろいろなことがありすぎて、てんやわんやして、その後数年ぶりにダラダラした夏休みを過ごし、すっかり怠けていましたが、季節も変わり、少し暑さも和らいだ今日この頃、やっとこさ秋に向けて動き始めました。


まずは9、10月

現在僕は東京を拠点に活動されているダンサー・振付家の神村恵さんの助手として、11月に神奈川芸術劇場で行われる公演のお手伝いをしています。
オーディションで選ばれた6名のダンサーとアンサンブルジェネシスという現代音楽集団がコラボレーションしたオペラ作品です。

コンテンポラリー界の秀才と言われる(本人は否定していますが)神村さんと、音楽家、オペラ歌手の方々がタッグを組んでのオペラ。

そもそもオペラ作品に関わるのは初めてですし、とにかく稽古場が面白い!五感にビシビシきます!
いい意味で全く先が読めない公演です・・・

さらに11月

京都にて、京都国民文化祭という日本で最大級の文化イベントが今年初めて開催されるのですが、その中のコンテンポラリーダンスのショーケース「すごいダンス」というこれまたスゴイネーミングの催しがあります。

そこに京都造形大学の先輩と後輩にあたり、共演も何度かさせていただいている、きたまりさんと、倉田翠さんのお二人とトリオで新作を作ります。

これまた全然違う身体性を持った三人の共演となり、かなり楽しみです。ガチンコ勝負必至!

ほんでほんで12月

東京は東中野のRAFTというイベントスペースで、新作を発表します。

これは東京を拠点に活動されている南弓子さんのプロデュースで集まったダンサー達のショーケースです。新作といいつつプロデューサーの南さんから「お題」が出題され、それに応える形でクリエーションをしていくので、全く何をするかわかりません!

前回見真美さんの企画に参加させていただいた時のお題は「好きなラブソングで踊り」でした。

今回はどんなお題が飛び出すやら・・これまた怖いような楽しみなような・・・ヒヤヒヤします。

そしてまだまだ続く1月からは・・・

あの!公演の再演のための稽古が始まりますが・・・これはまだ情報公開できません。悪しからず。。。

でも個人的に超楽しみです。しかも再演と言えども、ダンサーが変わるので、また新しい息吹が作品に吹き込まれることでしょう!

てなかんじで、年内もガシガシ踊っていきます!踊るしか脳がないですから!
あ、でも32人前のハンバーグを1時間で作れますけどね。余談ですね。

公演の詳しい情報は随時NEWS欄にアップしていきますので、チェックしてみてください~



2011/08/16

早速の動画公開。

東日本震災チャリティーイベントとして行なわれた、神崎千尋+花背水雄、二人展『CASTEST』(2011年8月6日~14日)の、会期中に行なわれた、京極朋彦によるダンスパフォーマンスの動画をアップしました!
三つに分かれてますが、ぜひご覧ください!


京極朋彦ソロダンス企画『ぜんぜん関係ない』@Performing Gallery&Cafe絵空箱

2011/08/15

『ぜんぜん関係ない』第二期終了!!






本日、京極朋彦ソロダンス企画『ぜんぜん関係ない』第二期が終了しました。

本当にやってよかった!それは単なるコラボレーションではなく、戦いの域まで到達できた気がするからです。



一期と二期を通して、毎回振り解けや細かなタイミングは変わって行ったので、一度も同じ公演はなかったのですが、一番大きく変わったのは、第一期に地上にあった花背さんの鯨のオブジェが、翌週来て見たら、トラスに吊られていたっていう。しかも花背さんからは、当日まで一切連絡がないって言う(笑)



もう完全に喧嘩売ってきたなと!こりゃもう挑戦状だと!俄然テンション上がりました。そのおかげで、第一期に見てくださった方には大変申し訳ないほどに、作品は変化していきました。

一期と二期、どちらいいとか、悪いとか、そういうことではなくて、こんな遊び場を持てた事に、僕は無類の喜びを感じています。

僕にとって今回の公演は、逃げ場のない修行であり、踊る自由、創る自由への希望でした。



自分にとって何が一番大切か。何を残し何を捨てるか、その決断を迫られた二週間でした。



決して集客が多かったわけではありません。チャリティーイベントとしては本当に微々たるものだったかもしれません。それでも企画の段階からかかわり、こうして二週にわたって他ジャンルの作家さんと共同で作れたということは、本当に良かったと思います。良かったというよりも「力がついた」と言う感想の方がしっくり来ます。

そして第二期になって、今までシャッター音がパフォーマンスの邪魔になるからと遠慮していた神崎さんに「写真を取らせて欲しい」と言ってもらえたことが何より嬉しかったです。



そして、今回、少々おこがましくも「自分の踊りは自分で見つけて来い」という師の言葉に応答できたのではないかと思っています。

見に来ていただいた方々、支えてくださった皆様、本当にありがとうございました!



近日、神崎さんが取ってくれた写真と公演の記録動画を公開予定です。お楽しみに!

2011/08/08

『ぜんぜん関係ない』第一期終了!!

久々のブログ更新です。

京極朋彦ソロダンス企画『ぜんぜん関係ない』第一期が終了しました。

今回、ことのほか大変で、ことのほか収穫がありました。

今回の企画はPerforming Gallery&Cafe絵空箱の店主さんの意向で、スペースをアーティストに無料開放し、売上の一部を被災地の復興支援に寄付するという呼びかけから始まり、そこで神崎さん、花背さんに出会い、このような形のパフォーマンスになりました。

『ぜんぜん関係ない』というタイトルだけ先に決めてしまってから、二人の作品が展示されているギャラリーに体ごと飛び込んで、何が出来るのか? しかもその空間は当日にならないと分からないという、何ともスリリングな展開でした。

しかしながらそんな無謀とも思える企画の中から、様々な発見があったのも事実です。
また、今回の会場は、劇場ではなく、飲食の出来るBARだったので、パフォーマンス後に直接お客さんと話すことが出来、その中での発見も沢山ありました。


その中の一つで、印象深い発見は、『ぜんぜん関係ない』というタイトルについて。

このタイトルは写真家とイラストレーターとの共同作業において、一見コラボレーションを全否定するようなタイトルですが、実際、神崎さんの写真やコラージュ、花背さんの立体展示と体を合わせてみると、いやがおうにも関係性が見えてきますし、何より「関係ない」と言うからには、いつも以上に自分の体に責任を負わなければならなくなりました。それはやはり言葉の限定力と言うか、強さなのでしょう。

前回の『カイロー』は無音の45分で、いかに体一つで見せることが出来るか?という挑戦でしたが、今回は上演時間は短くなったものの、言葉による制約(であると同時に開放でもあるのかもしれませんが)と体の関係を扱うことによって、またさらに自身の体への責任の取り方みたいなものが試された気がします。

しかも飲食しながら見るお客さんとフラットな床での接近戦と来れば、もはや修行です。

と同時に、改めて自分のやってきたこと、突き詰めて行きたい興味は「体に責任を取る」と言うことで、逆に言えば「体以外には潔く責任を放棄する自由の獲得」なんだということを感じました。

もちろん見世物ですから体のこと以外の演出、構成、衣裳などなど考えることは山ほどあるのですが、それらを考えつくした上で、抜かりなく準備した上で、最終的に体一つで責任取らさせていただきます! みたいな事がやりたいんだな自分は。と、気付かされました。

このことが生意気にもハッキリしたおかげで、次にやるべきことが見えてきました。

第一期のパフォーマンスはいわば序章です。コレを踏まえて、第二期はさらに進化します。
わざわざ期間を二回にわけたのは、コレがしたかったが為なのです。『カイロー』も再演を繰り返すごとに進化していきました。

第二期、ご期待下さい!!

とか言ってしまうことで、自分を追い込んでみる。コレも言葉の力ですね。

2011/07/21

またしても久々ブログ

さて、すっかり時間があいてしまいましたが、ぼ~っとしてたわけではなく、着々と夏に向けての準備を進めています。

先日は今回ご一緒させていただく神崎さんの自宅兼、アトリエへお邪魔して、今回展示される予定の作品を見させて頂きました。

写真をのせることは残念ながら出来ないのですが(会場でのお楽しみ!)とても面白かったです。

実は今回のように、写真家さん、イラストレーターさんといった、モノを作り出す人と共に仕事をするのは初めてで、ワクワクします。

神崎さんは舞台の写真や、風景写真を撮ると同時に、撮った風景をハサミで切って、キャンバスに張り合わせたコラージュ作品を作っていらっしゃいます。

何気なく撮った風景写真を後から切り貼りして、新しいものを生み出していくその作業は、見ていてどこか、記憶を再構成していくようでした。

「なぜコラージュ作品を作るのですか?」という僕のアホみたいな質問に、神崎さんは

「私だけが撮れる風景って無い気がして、きっとこの風景は他の誰かでも撮れるけど、それを切り貼りして生み出されるものは、私にしか生み出せない気がして、そうやって初めて、その風景が私のものになる気がするんです。」

と答えてくれました。(京極の記憶では)

それを聞いて、記憶という言葉が思い浮かんだのもあながち間違いではなかったなぁと思いつつ、素敵な言葉に出会えてよかったなぁと思いました。

また、今回の展示会場で流れる音楽を作ってくださる方にも直接お会いすることが出来まして、その試作曲も頂くことが出来ました。

まだ何とも上手いこと言えませんが、今回の企画、いい出会いが重なって、かなり面白いことになりそうです。人とモノを作るってことの面白さに、素直にときめいています。ソロが長かった後遺症でしょうか・・?

あっという間に7月が過ぎていきますが、自分の面白いと思ったことを信じて、着々と準備を進めていきたいと思います。

是非、8月会場にお越しくださいませ!詳細はコチラ



2011/07/12

ひさびさブログ

な、な、な、なんだかんだあって、久しぶりのブログ更新です。

すっかりご無沙汰してしまいました。とうとう京極朋彦ソロダンス企画、夏の陣、始動です。

今回は写真家で、コラージュ作家の神崎千尋さんと、イラストレーターの花背水雄さんの二人展、にお邪魔して、踊らせて頂きます。詳細はNEWS欄にて!

今回の公演はギャラリーでのオープニングレセプションパーティーと、クロージングパーティーの二回に分かれたプログラムとなっております。

当然、内容も変わることでしょう。二週間の間、ギャラリーを訪れる人々、そして今日は友人の稽古場へお邪魔してきました。ダンスを久しぶりに見た気がします。やっぱりなんだかんだいって、僕はダンスに関わって生きていくようです。

本番まであと三週間ほどですが、焦らず行きたいと思います!
是非会場でお会いしましょう!

2011/06/20

京都に帰ってきました。

はい。京都に帰ってまいりました。

東京では有意義な打ち合わせが出来、夏のイベントの詳細も決定しました!詳しくはNEWS欄に掲載しました。

今回の企画は夏のサミットやTPAMの時とは違い、小さいけれど、自分の手で一から実現までこぎつけた企画です。

一人で活動していると、特にソロダンスとかをやっていると、どうしてもショーケースに出たり、イベントに参加するという形でやっていくことが多くなるのですが、今回企画段階から自分の手で出来たことは、とても嬉しいです。もちろん多くの方の手助けあっての実現ですが。

そして今回のことは自分の活動のちょっとした転機になるかもしれません。というのは今まで、「アーティストたるもの、刺激的な新作を生み出してなんぼ」みたいな気負いが、どこかにあった気がして、妙な焦りとか、お金の問題とか、頑なな部分が自分の中にあったのですが、それが少しずつ変わってきたように思うからです。

特に震災以後、できることをやればいいと。
焦らずにその、できることの範囲を広げてもいいし、深めてもいいし、とにかく決めて、やればいい。
というスタンスになってきました。
チャリティーイベントだろうがなんだろうが、興味があるなら、やればいいと。

だから前回のlove songsも、音とかあんまり使ったこと無かったし、中原中也よろしく、恋愛詩なんて、、とか思ってましたが、やると決めて、やったら楽しかったっていう。

少しずつではありますが、呼吸が出来るようになってきたような、そんな気分です。それはとても小さな規模で、至極私的な出来事ではあるのですが。

それらの背景には、その呼吸を後押ししてくれるような出来事が多くありました。

一つは去年あたりからなぜか、日本人以外の友人が増えまして、彼、彼女らと話したり、一緒に仕事をするようになって、物事を相対的にとらえる筋肉が鍛えられたというか、単純に新鮮な感覚や意見を吸収することができるようになったということ。

今回の帰省でも、フランス人の友人と原発の話をしてみたり、アメリカ人の友人と日本酒を酌み交わしてみたりする機会があって、そんなことを感じました。

もう一つは東京の元気なアーティストやその周辺に集まる人々にたくさん出会えたということです。

なんだかんだ仕事や打ち合わせで、震災以後、今回含めて5回東京に行っていることになるのですが、人や街の感じが、震災直後の無気力な感じと、今では少しずつ変わってきた気もします。

そして今回、あるイベントで「今まで誰も経験したことのない状況下で、誰もがどうしていいかわからない。そんな中で、何をするかってことを決めて、実行することって本当に難しいことだ」ってことを、だいの大人の口から聞けたことも、よかったし、東京の人々が原発の不安を語りあい、健全にネタにしてふざけたりできる場が出来てきたってことも、一時的ではあれ、いき詰まりを解消するって意味でいいなと思ってみたり。

とにかく収穫の多い帰省でした。そして明日からは私はバイトザンマイの日々が続くのです。それはそれで、やるしかないよねぇ~


2011/06/17

東京週末日記

さて、京都でのlove songs(in kyoto)を終え、東京にやってきました。


今回のイベントは本当に楽しかったです!普段作品で音を使うことが無いので、久々に音楽で踊る楽しさや、人と踊ることの喜びを感じることが出来ました。

そして何より半年ぶりとなる京都公演に、たくさんの方が遊びに来てくれたことが本当に嬉しかったです。 やっぱり僕のホームは京都なんだなと、つくづく思います。

出演してくれた和田聖来さんも、僕のムチャ振りに耐えながら、本当に頑張ってくれました。
なので今回とても彼女の評判がよかったのは、振付家冥利につきます。

パフォーマンスの動画をyoutubeにアップしました。残念ながら見に来られなかった方はぜひのぞいてみてください。
パート1

パート2

さて今回東京に来たのは、今年の8月に東京で踊る企画の打ち合わせのためです。
詳細はNEWS欄にアップしました。

今回のイベントは東日本震災のためのチャリティーイベントとして、震災以後、会場のオーナーさんと、その周りに集まるアーティストさんたちと共同で、少しづつ準備してきたものです。

なので今回の収益の一部は赤十字を通して、東日本震災の復興支援に寄付されます。

震災以降、自分には一体何が出来るのか?という事をずっと考えながら、この企画を進めてきました。このイベントをしたからといって、今まさに苦しんでいる人たちを直接、救うことは出来ませんが、東京で不安な気持ちを抱えながら生活している人や、被災地のために何かしたいと考えている人たちにアクセスできたらと思います。

会場では復興支援の募金もする予定ですので、ぜひ遊びに来てください!
といいながら、展示の会期は決っているものの、タイムテーブルはまだ決っていません。。。

詳細決り次第ブログとツイッター(kyo59)で配信していきますので、ぜひチェックしてみてください。

2011/06/11

love songs in Kyoto

今日は街に出る用事があったので、ふらっとアバンギルドに寄ったら、ライブが始まる前だったので会場を下見することが出来ました。
「今度出演させていただくものですが、ちょっと中、下見してもいいですか?」
「あ、どうぞ~」
このユルい感じがいいですね。京都って感じがします。京都っていうか人ですね。いい場所にはいい人が集まるもんだ・・・と思いながら中に入ると、やっぱり狭いな!(笑)

何かいつも客として来るときはあまり考えなかったけれど、いざ踊るとなるとこんなに狭かったっけ!?ってなります。
ともあれ、ばっちりイメトレしてきたので大丈夫!本番楽しみです。

そうそう、今日で震災から三カ月経ちましたね。

京都は夏めいた爽やかな天気で、鴨川では子供たちが遊び、老夫婦は手をとり散歩しています。当たり前のように時間が流れています。平和です。

鴨川沿いを自転車で走っていたら、若い夫婦と赤ちゃんがいて、そのあまりにも当たり前の平和、当たり前の幸せを目にした時、涙が出そうになりました。

この「当たり前」を瞬時に奪われた人たちがいて、この「当たり前」は近い将来、日本人全てが奪われるであろう「当たり前」なのかもしれないと思った時、悲しくなりました。
そして、目の前の赤ちゃんを見て、これから育っていく命に対して自分はどう向き合えばいいのかわからなくなってしまいました。

目の前の現実に対して一体踊りに何が出来るって言うのか?については散々考えてきましたが、未だにハッキリとはわかりません。さらに今回の震災で、この問いは、根本的な問いの立て方から覆されたような気がして、しばらくは無気力状態、あるいはそれを隠すために、わざと忙しくしてみたり、やたらと人と会ったり、落ち着きませんでした。

そして三か月。震災があった日も今も、僕はダンスを踊っています。そして答えは何も出ていません。そんな中、来週はlove songで踊ります。

僕はもともと東京の人間なので、今も僕の大切な人、愛する人が東京に沢山います。東京は今、放射線の問題に揺れていて、その話を聞くたびに胸が詰まります。

それでも僕は京都で踊っている。

僕にとってダンスは人と繋がっていくための手段なので、これを止めてしまったらあまり人と合わなくなってしまうような気がして、踊りに何が出来るのか?という以前に生活の中に踊りが必要なのです。

それ以上でも以下でもない。
だから変わらず踊るわけですが、今や繋がっていく肝心の人が、大切な愛する人々が、危険にさらされているならば、踊りなど止めて、その人のそばにいるか、一緒にどこかに逃げた方がいいのかもしれません。

どちらにせよ、この現実を前に、やはり今までと同じように踊ることはできないのかもしれません。

だからせめて来週は、出来るだけの愛で、広い意味での愛について踊ることが出来たらと思うばかりです。

2011/06/06

「見える」「見えない」の話

夕日が山の向こうに消えていき、月が光々と輝きだすまでの少しの間、春と夏の間、山と川の間から吹く風が心地よい季節になりました。
写真は北白川の、僕の好きな本屋、ガケ書房の向かいを写したものです。夕方から夜になる直前の空の青と、月の白。ラーメン屋の黄色と信号の赤。ひそかに好きな風景です。もうすぐ始まる夏にドキドキすると同時に、過ぎ去っていく春に少し淋しさを感じます。
そして、こんないい季節に、また新しい作品に取り組めることの楽しさったらないのです!

いよいよ来週に迫った京都Urbanguildでのイベントに向けて現在、稽古中です!

今日は一緒に踊るダンサーさんと、衣裳を探しに出かけました。相手の衣裳はいいのが見つかったのですが、問題は僕です。。。毎回衣裳には苦労します。。。

ともあれ稽古は順調。ダンサーさんに助けられながら、へなちょこ振付家は奮闘しております!
ぜひ来週14日(火)は京都Urbanguildへ遊びに来て下さい~


そして、突然ですが、稽古をしていてふと思ったことをひとつ。

我々ダンサーと呼ばれる職種に就くものはどこかで「身体一つで、見えざるものを体現したい」という欲望を持っていて、それが「見てはいけないモノ」であればあるほど、よりその欲求は強まるのではないではないか?ということ。

動くことで、あるいは動かないことで観客の知覚に働きかけ、イメージを紡いでゆく。生みだしていく。

特にコンテンポラリーダンスと言われるものは、何か具体的なモチーフを、ジェスチャーのように伝えるのではなく、その抽象性をもって観客との間に「見えざるもの」を立ち上げていく行為なのではないかと思います。

果たして「見えざるもの」とは何か?

それは普段、見落としている感覚であったり、努めて見ないようにしている事柄だったり、そもそも定義できない、理解しえないモノだったりして、ある人にとってはそれを見ることが苦痛だったり、恐怖だったりするもの。またある人にとっては夢だったり、希望だったりする事柄。

そうなると踊るということは、この「見えざるも」のを扱う職業である気がします。
そして、その扱い方は「見えない」がゆえに、かなり慎重にならなければなりません。

その一方で、「見えざるもの」を体というメディアを通して体現して見せるのが、ダンスの面白さであり、「見てはいけないもの」を召喚する特権なのかもしれません。

僕の初めてのダンスパフォーマンスは渋谷のスクランブル交差点で、普段着のまま即興で踊るというものでした。はじめは周りの人は異常者がいると思って、見て見ぬふりをしていましたが、次第に人だかりができ、「見る、見られる」の関係が成り立ち、挙句には交番からお巡りさんが来るという事態になりました。
それは「見てはいけない」異なるものが現われた故の結果だったのでしょう。スクランブル交差点で踊ってはいけませんという法律は無いにしろ「よくわからないこと」は起きてはいけなかったのです。

ちょうどそのころ日本は「テロ」という言葉にかなり敏感で、わからないモノは排除する、理解しえないモノは敵みなすという欧米から吹き荒れる空気にかなり影響されていましたから、わけのわからない踊りを踊っている僕は交番に任意同行され、荷物検査をされました。

まあこれは、完全に若気の至りの迷惑行為に他ならなかったわけですが、そんな渋谷は今「見えざるテロの恐怖」ではなく「見えざる放射線の恐怖」にさらされ、自粛の名のもとに、夜も光々と、昼のように明るかったセンター街はとても暗く、今まで表に「見えて」来なかった原発反対ののろしは、ハッキリと立ち上っています。

「見えなかったものが見えてきた時」それは興奮でもあり、恐怖でもあります。
「見えざるもの」は「見えない」がゆえ、怖いものであり、いかがわしきものであり、社会というルールを乱すものなのかもしれません。
だからこそこの、社会の名のもとに「見えてしまっては不都合なもの」は隠され、それらを「見えるもの」としようとするものは、いつの時代も排除されてきました。

ダンスとこれらのことを関係づけて考えるのはいささかオーバーかもしれませんが、確実に言えることは、やはりこの「見えざるもの」には強烈な魅力があり、私たちはいつまでもこの「見えざるもの」を「見たい」という欲求に揺り動かされているということ。

ダンスの欲求はこういったところに根ざしていると、僕は思います。

作品を作るときに、やはりこういったことは無視できません。どんなにお気楽な、おバカな作品も、世に出るからには必ず、程度の差はあれ、ココを通過していきます。

何を「見せて」何を「見せない」か?何が「見えて」何が「見えない」のか?そんなことを考えながら、訥々と、作品を作っています。

そういえば京都の北白川では、ホタルが飛び始めました。薄暗い川辺に、ホタルの光が「見えたり」「見えなかったり」して、夏の到来を告げているようです。

2011/06/02

6月、稽古の始まり

さて6月になってしまいました!今年がもう半分終わっちまうよ!

そして明日からとうとう京都urbanguild love songs( in kyoto!!) のリハーサルが始まります!

「ダンサー達がそれぞれのラブソングで踊る!」というこの企画。ラインナップも本当に豪華です。

作品はと言いますと、本番まで二週間しかないですが・・・もう頭の中では完成してるので大丈夫!

今回は京都造形の後輩に当たる女性ダンサー、和田聖来さんとのデュオ作品で参戦することになりました。
今回初めてご一緒しますが、以前彼女が踊っているのを見てとても印象的だったので、今回、急きょ声をかけさせて頂きました。本当に楽しみです。と、同時に緊張します。初めての共演!初めてのurbanguild!テンションは不安定です笑

とにもかくにも、いいものを作る気満々なので、是非6月14日(火)は、京都urbanguild(へ遊びに来て下さい!


2011/05/30

手巻きパーティ in Tokyo

一週間ぶりのごぶさたです。

先週は東京で打ち合わせをして、夏に一緒に企画をやる写真可さんの個展や、ポーランドで映像上映をして頂いた山口典子さんの個展を見た後、『川と出会い』でご一緒した青年団の役者さん小瀧万梨子さんの一人芝居、その名も『小瀧ソロ』を見てきました。まず芝居でこのタイトルすごいね!
そして友人宅で数年ぶりのに「手巻きずしパーティ」なるものをしました。なんか自分はそんなにパーティーピーポーではないと思っていたのですが、僕の周りにはイカしたパーティーピーポーズが沢山いて、なんだかんだでいつも誘われて行くので、僕も立派なパーティーピーポーなわけです。
ともあれ楽しかった!

そして今朝、京都に帰ってきて、そのままバイト、打ち合わせ、帰宅。というコース。
いよいよ今週から6月14日「love songs」に向けてのリハが始まります。楽しみです。

今回のテーマは「今までやったことのないことをやる」です。曲を使って振りを作ることから始まり、あれやこれや、、、ライブイベントってのをいいことにい色々試してみたいと思います。

是非みなさん遊びに来て下さい!詳細はNEWS欄にて!

2011/05/23

夜の勘を取り戻せ!

はい。週末は色々ありまして、すっかりブログもサボりがちになってしまいました。

まず一つはポーランドの『カイロー』の上映が好評で、ポーランド人の関係者側から「是非生で見たい!」というオファーがあったということ。

しかしながら、まだ何も具体的には動いておらず、先方も予算繰りに苦労しているようで、いつになるかはわかりませんが、ぜひともポーランド公演、実現させたいじゃないですか!なんなら自分で助成金とって行きますよ!ポーランド!

で、さらに来月、ダンスのイベントに参加させて頂けることになりました!
詳細はNEWS欄に載せていますが、そう、会場は京都、Urbanguildです!京都でコンテンポラリーダンスを見るならココ!と名高いカオスの殿堂に、初参戦します!

観客としては何度も行ったことがあるのですが、出演するのは初めてです。関西でダンスを初めて5年。とうとうココに足を踏み入れる日がやってきました。(大げさかしら?)

しかもイベントタイトルは「love songs(in Kyoto!!)」

in Kyoto!!ってのはつまり、主催者の南弓子さんは現在東京で活躍されているダンサーさんで、このイベントはin Tokyo!!もあるってことなんですって!(in Tokyo!!は東京のダンサーさんが参加されるようです。)

出演ダンサーが自分の好きなラブソングを持ち寄って踊るという企画主旨があるので、ここ何日か僕は、ラブソングばかりを聞いていて、脳みそが、だいぶ甘ったるくなって来ています。

が、普段、既成の楽曲を使って踊ることが、滅多にない僕にとっては、いい機会です。頑張ります!

そして、他の出演者も超豪華です。関西の面白いダンサー達が勢ぞろいします!
平日の夜ですが、ぜひ遊びに来て下さい!

「明日はみんなに平等にやってくる」っていうのは、たちの悪い酔っ払いの言い分ですが・・・翌朝に余裕のある方はぜひ、朝まで踊りましょう!

やっぱり学生のころはみんな、一日リハして、夜クラブイベントで明け方まで踊りほうけて、そのままバイトへ、とか普通だったけど、最近僕の周りも、そうともいかないですね。

そう考えると、このコースが未だにありえる自分か恥ずかしいようでもあり、逆に誇らしいようでもあり、、、いや、やっぱり自慢できることでもないですね。。

ただUrbanguildという場所で出来ることは本当に光栄に思います。そこには本気で夜遊びする大人がたくさん集まります。中途半端な遊びは通用しません。そのぶん面白い!

最近は遅くても20時とかの、健やかな現場で踊ることが多かった分、このディープな宴に向けて、夜の勘を取り戻すべく、日付をまたいで街に繰り出す必要がありそうです。(付き合ってくれる方募集!)

2011/05/17

だ、だ、だんす。

久しぶりにブログを書いています。
最近、バタバタとしていて、じっくり体と向き合う時間が取れなかったのですが、今日やっと、短い間でしたが、じっくりと体と向き合う時間が取れました。

先月の本番で経験した、新しい体の使い方、考え方が少しづつ自分の体に浸透していっているのを感じます。そして、先々の不安や、直面するストレスに揺れていた気持ちも、少しづつ和らいで行くのが感じられました。

わが心の師、チョンヨンドゥ氏は僕に「ダンスはあなたの人生を救います」と言ってくれました。今、その意味がよくわかります。

元々、引っ込み思案で、心配性で、自分の欲しいもの、好きなものを上手く言えなかった性格を少しづつ変えていったのは舞台であり、ダンスです。

もちろん今でも僕は相当ビビりで、自分の欲望を上手く表現できません。しかしダンスはそれを表現するのを、少し助けてくれています。

おそらくダンスをやっていなかったら社会と繋がっていったり、人とうまくコミュニケーションをとるのが難しかったでしょう。

だからこうして自分の体を見つめたり、呼吸の仕方を確かめたりする時間は、僕にとってかけがえのない時間です。

こうしてゆっくりと体を作りつつ、新たな経験に飛び出していく準備をするのです。

そして来月、あるイベントへの出演依頼をいただきました。ありがたいことです。また新たな経験がこの体に流れてくることになります。今の体を良く聴いて、ぬかりなく準備すべし。
詳細決まり次第お知らせします。

あ、そうそう、ポーランドでの『カイロー』の上映は大変好評だったそうです。
「こんなダンス見たこと無い!」とポーランド人を驚かせたようです。そらそうだわ(笑)

こうして、様々な形で僕の人生を手助けしてくれている?ダンスに感謝しつつ、新たな明日に向けて、おやすみなさい。

2011/05/09

JAPANESE PERSPECTIVE NOW !

さて、GWも終わり、今年の夏に向けてのプロジェクトが少しずつ動き始めました。
まだ公式に発表できる段階ではないのですが、いろいろ画策しております!決まり次第ブログにUPしますので、ぜひチェックしてみてください。

そして今週、遥か彼方ポーランドにて僕のソロダンス『カイロー』の映像が上演されます。
これがプログラム。メインは現代美術作家の山口典子さんのメディアパフォーマンス『ケータイガール』なのですが、『カイロー』もバッチリ30分間(編集済み)上演されます。

笑えるのがこのプログラムのタイトルが「JAPANESE PERSPECTIVE NOW !」ってこと!ポーランドに大いなる誤解を残して行きそうなこのイベントですが・・・ともあれ海外で作品が上映されるのは喜ばしいことです。

んでもってさらに、以前大阪、天王寺のロクソドンタブラックという劇場で行われた「ダンスの時間」にて上演されました作品

倉田翠+京極朋彦『頼むから静かにしてくれ』の映像がyoutubeで見られます。リンク先はこちら!

今のところ、このブログからしか見られないようになってますが、もし再演とかあったら公開しようと思ってます!というのも作品は是非、生で見ていただきたいと思うからです。

だからポーランドの人にも、生で『カイロー』を見てもらえたらいいな~

2011/05/08

明日のメディアとダンスWSショーイングに寄せて

メディアとは何か?と思い、辞書を引いてみたら、機関、方法、手段、媒介といった言葉の中の一つに、「適切な妥協点」とあった。このことに、すっかり納得しました。

つまり人はメディアを間に挟むことで他人との「適切な妥協点」を見出して、それをコミュニケーションと呼び、生活を築き上げている。ということです。
言葉も、音楽も、IT機器も、もちろんダンスも。メディアと呼びうるものは全て「適切な妥協点」であると。

そういってしまうと、なんだか悲しい気もしますが、逆に、妥協点という、ドライな響きに僕は安心感を持ちます。

それは、メディアを通して他者と「わかりあえる」というような幻想にとらわれなくて済むからです。
他者は「わかりあえない」からこそ「他者」なのであり、そのことは絶望ではなく希望だと思えます。

なぜなら、それは、人と何かする時に、「わかりあえない」という事が、一つの起爆装置として物事を動かしていく力になると、僕は考えるからです。

他人同士「わかりあえる」なんてことは、究極のところ無い。

それでも人と何かする時に、確かにあるのは「わかりあえない」というストレスと、「わかりあえた気がする」という実感です。ときにストレスも実感も、物事を動かす力になります。

「わかりあえない」ストレスも「わかりあえた気がする」実感も、方向は違えど、それぞれエネルギーを持っていて、どちらも物事を動かす起爆装置なのです。

エネルギー自体に正しい、正しくないはないのです。エネルギーの使い方に正しい正しくないはあるんだろうと思います。

今回僕たちはこのエネルギーをダンスという形にしました。メディアとダンスの違いは未だにわかりませんが、人と何かする時に、そこに確かに生まれるエネルギーの消費端末の違いみたいなものではないかとも思います。

メディアがダンスに奉仕するでもなく、ダンスがメディアに寄りかかるでもない、みたいな考え方ではなく、そもそも両者は同じであり、見えてくるものはそれらの「適切な妥協点」なのではないかと思います。それは決して悲観的ではなく、むしろ楽観的、あるいは建設的な希望を込めてそう思うのです。



2011/05/06

生活の成り立ちについてのメモ

どんな状況でも、やり遂げようとすることが、必ず次へ繋がっていくと信じてみる。

はい。今、そんな感じです。気持ちが引き裂かれんばかりの理不尽、不寛容、ストレス、そんなものに囲まれて、気が狂いそうです。でも大丈夫。

一つのレイヤーで今の状況を考えると、一刻も早く逃避すべきなのですが、も一つレイヤーを用意して、今の状況を眺めてみると、ある意味、新しい経験をしていると、言うことになります。
「気が狂いそう!」とか、ある意味、淡々とした日常の中の、めったにないイベントです。

やりたくない、それでもやるしかない!とかではなく、その二項対立の図式を、少し離れて見てみる。

最終的な目標を果たすための手段としてよくやる手です。もちろん最終的な目標ってのは生きるってことで、死なないってことなんですが。

そうやって蓄えるんです。いろんなことを。
その蓄えが、きっとどこかで役に立つことを信じて。というレイヤーもかけてやると、いよいよストレスがイベント化します。「気が狂いそう!フェス」の開幕です。この滅多にないイベントは楽しまなきゃ損!といった具合に。

とはいえストレスは溜まります。大いに迷います。理不尽は、やはり理不尽ですから、どうしようもなく、腹は立ちます。だからこのブログも一つのレイヤーなのでしょう。書くことで、冷ます。あるいは多くの友人の力が必要になります。喋ることで、冷ます。

で、もっともっとひいて、もっともっと冷まして考えてみれば、楽しいことも、辛いことも、沢山経験して、それがささやかでも人のために役に立てば、人間として生きて死ぬことの八割を果たすことになるのではないか?という所まで行きます。僕の場合ですが。

どんなに些細でも誰かのためになって、人生を終えられたら。だから、いつでも敏感でありたい。迷い、たじろぎ、震え、いつまでも、どこまでも細かく感じていられるような人でいたい。

というところまで。おおげさですが、そこまで。いや、ほんとに。

その辺まで来たらだいぶ怒りも収まってきます。

そこまで行くと、一体何の話だかわかんなくなってきます。「気が狂いそう!フェス」ってなんだよ!?というセルフツッコミを済ませたあたりで、後は寝ます。

その行きついた先が正しいとか、正しくないとかではなく、そうやって目の前の理不尽に対処しています。

僕はそうやって生きており、僕の生活はそうやって成り立っている。というお話でした。おやすみなさい。

2011/05/01

五月になっちゃいました。

しかしまあ、色々あった四月が終わって、もう五月です!

もうね、いろんなことがありすぎて、わっちゃわっちゃしたけれども、なんとか五月を迎えられました。

五月は五月で色々アリマクリなんですが、とりあえず明日(5月1日)京都三条商店街にて東日本震災のチャリティーイベントに参加します。

久々に野外即興します。僕の出演時間は 16:45から。イベント自体は14:00から、いろんな方が出ているので、チェックしてみてください。(詳細はNEWS欄で)

そして5月8日は初音館スタジオで、今受けている「京都の暑い夏」のWSショウイングがあります。僕が受けているのは「メディアとダンス」というWSです。これまたどうなることやら・・・お楽しみです。

そして「カイロー」の映像がポーランドで上映されて、五月後半は、知り合いの作家さんの個展を二軒見に東京へ行きます。

そこで夏の東京に向けての打ち合わせとかしてたら、恐らく5月は飛ぶように終わります。間違いない!


それにしても、今年度明けてからのこのドタバタっぷりは、近年稀にみるドタバタで、本当に大変でしたが、なぜそれを乗り切れたのかを考えると、そこには京都の仲間たちの支えがありました。

この一ヶ月、本当に忙しかった割に、本当に沢山の人に会った一ヶ月でもありました。東京、京都で話を聞いてくれた皆さん、本当にありがとう。公演を見に来てくれた皆さん、本当にありがとうございます。

関東で仕事をするようになって、改めて「拠点」である京都の大切さを噛みしめています。

京都のみんなに恩返しできるように、今後も頑張りたいと思います。そのためにはもちろん、GWも返上です!!




2011/04/24

ブライアリー企画終了














はい!無事、ブライアリー企画終了しました。左が振付・演出のブライアリー、右がイギリス人バレリーナのルーシー。真ん中がアジアの筋男こと京極です。青い目の二人は赤目なってるね~


こんな穏やかな顔で写ってますが、この三人での稽古は本当に大変でした。お互いに違うバックグラウンドを持ち、言語も文化も違うもの同士、作品を作ることの難しさと、面白さをビシビシと感じました。




そして舞台写真!!







ともあれ、終ったぁ~!!




で、早速新しいニュースが二本。ひとつは京都で震災のためのチャリティーイベントに参加します。


そして二つ目はポーランドでの『カイロー』映像の上映が決定しました。


詳しくはNEWS欄をご覧下さい!


今後もガンガン頑張ります!

2011/04/21

ブライアリー企画初日!


ブライアリー企画、初日が終了しました。
何つーかやっぱり本番はやっぱり楽しいです。
お客さんもたくさん来てくれて、今日は本当に幸せな一日でした!

作品は明日からますますよくなっていくはずです。なんせ日本語の分からないルーシーに冗談、通じるぐらい仲良くなったし、チームワークはどんどん向上しています。
ぜひこの異色のコラボレーション作品『川と出会い』を体感しに、アトリエ春風舎にいらしてください!

2011/04/13

怒涛の一週間が終わりました。

怒涛の一週間が過ぎ、明日ようやっと通し稽古です。
いや、本当、未だかつてない経験をさせてもらっています。

イギリスロイヤルバレエのバレリーナに徹底的にリフトを教わり、英語、日本語、フランス語の入り交じった中でリハーサルをし、それをyoutubeにアップしてNYの作曲家に曲を作ってもらったり、花見したり、クレープパーティしたりの、
もりもり沢山の一週間でした。
明日から一旦京都に戻ります。来週の本番、ぜひ多くの方に見て頂きたいです!

この一週間の、もはや国際交流プロジェクトと言っていい稽古期間の中で、楽しいことも、つらいことも沢山ありました。中でも強く感じたことは、やはり人間同士のつながりについて。まだこれから一週間が勝負ですが、その戦いを乗り切る指標として、ひとまず今の考えをまとめてみようと思います。

ダンスで外国人と体を合わせるとき、そこには体の違いはもちろん、文化の違いがどうしようもなくあって、さらに個人の考え方や行動の違い、振付とのバランスなどが加わり、単なる外国人と日本人という構造には置き換えられない、複雑なひずみが発生します。

ダンスの場合言語を解さない分、国境を越えてわかりあえるという考えは、ある部分では当たっていますが、結局、このひずみに向かい合わなければいい作品にはならない事は、確か。
ある程度で済ませてしまうか、それでも手を伸ばし続ける意志を持続させるか。その意思をいかに持続させるかが、キモ。
もうこうなると外人だろうがなんだろうが関係なく、人間同士の根性比べになってきます。

毎日、壁にぶち当たるなかで、少しづつ気づくことは、わかりあえないという絶望をまず受け入れる事が、希望を紡ぐ鍵になる。ということ。
二つの異なる手は一つになる事は出来ないが、互いに掴んで離さないでいることは出来る。その筋力を鍛える事も、離れにくい掴み方を探る事も「離したくない」と強く思えば思うほど、自然と身についてくる。ということ。

こうして僕はこの一週間で体脂肪率は減り、体重が増えたので、実際筋肉がついたわけだが、それはさておき・・・

現実に萎える事は誰にでも出来る。それよりは、もう少しいい夢をみたい。その夢を見るために、どうしようもない現実に目を向け、考える事を止めてはいけない。それは誰の為にって、作品よりも何よりも、きっと自分の人生のためになんだろうと思う。


2011/04/06

ダンスリハーサル本格始動!


今日から東京にて青年団若手自主企画 vol.49 ブライアリー企画 『川と出会い』リハーサル始まりました!
そして今日、NYから初来日したルーシーとの初稽古でした。

今回僕とルーシーのシーンはかなり多いので、今日から早速二人で振付を考えました。
バレエダンサーの体は繊細で、リフトなどをする時、本当に精密機器を扱っているようでした。

同時に一緒に踊っている自分の体への意識もかなり繊細になります。

にしても、ルーシーのアクテビティー!
今日14時間のフライトを経て、初めて日本に来て、さっそくリハーサルに参加するという。
こちらも夜行バスで7時間、京都から来たのです!負けてらんねー


2011/04/01

東京→京都→日本


京都に帰って来ました。震災後はじめて帰省した東京は暗い駅構内と、商品のないコンビニが印象的でした。
それでも劇場の灯を絶やさぬよう活動する舞台関係者と、それに賛同する観客の姿がとても印象的でした。

舞台は、やる側と見る側の共犯関係の上に成り立つといいますが、その関係が共犯という言葉をもってして語られる時の「いかがわしさ」みたいなものの意味が、こういった状況下では大いに変わってくるのだろうと思います。

ある意味で、普段から「いかがわしい」職業である役者やダンサーは、どんな状況下であろうと「いかがわしさ」を奪われることなく「いかがわしく」あり続けます。それはなんびとたりとも犯すことはできず、どんな天災もそれを奪うことのできない、舞台へ向かう者の特権です。

だから、そもそも「いかがわしい」ものとしての劇が、こういった状況下でやたらと神聖化されることには、違和感を感じます。
普段見向きもしない人が、殊更に取り上げて、声高に叫ぶ事の方が、よっぽど「いかがわしい」と感じてしまいます。
私たちは「フツー」に狂ったことをしてきたから、現実が狂ったとしても「フツー」に狂って見せよう。望む人がいる限り。なんつってーのは、カッコつけすぎですが・・・

ともあれ状況が状況だけに、今、私達は、私達を取り巻く環境と、舞台の虚構との狭間に横たわる「いかがわしさ」の変動に無意識でいることは出来ない状況にいます。誰もこのことからは逃れられません。

相対的な意味での日常が覆り、そのバランスが大いに崩れるとき、日常からの逸脱であったはずの劇が、なにやら杖のように現実を支えはじめたように見えます。

しかし僕はそのことは一時的なことと考えていて、それよりもこれから先の長期的な変化に注目したいと思っています。
もう東京はかつての都市機能を取り戻すことはないだろうし、様々な「あたりまえ」が少しずつ変わっていくこととなると思います。もちろんそれが見るもの、見られるものの共犯関係にも大きく影響することは間違いありません。

今回の震災は表現活動を続けて行くものに限らず、日本を取り巻く全てのことに、良くも悪くも、様々な形で影響を及ぼして行くこととなると思います。決して楽観的ではいられないかもしれません。それでもその変化を良くとるか、悪くとるかは、これから生きて行く私たちに委ねられています。

ひとまずは来週、NYからバレリ-ナを迎え、東京でのリハーサルが再会します。これは冷静に考えて今の状況下では希有なことです。今できることを精いっぱいやるのみです。


2011/03/30

東京でのリハーサル

只今東京にて青年団若手自主企画 vol.49 ブライアリー企画『川と出会い』の稽古をしています。

詳細はNEWS欄に掲載されています。去年のこまばアゴラ劇場でのソロダンスを見てくれたブライアリーさんからお誘いをいただき、今回の公演に参加させていただくことになりました。

こうしてダンスを通じて様々な人と出会い、繋がっていけるのは、本当に嬉しいことです。
東京は心なしか暗いけれど、桜は咲いてます。前向きに、前向きに。

2011/03/28

東京に来ています。

はい!東京にやって参りました。

今回は来月末の青年団自主企画公演のリハーサルと、その公演で共演予定の青年団の役者さん達が多数出演する『バルカン動物園』を見に来ました。

今回の震災の影響を受けつつも、20回もの上演を果たした今回の公演に感銘を受けました。

それに関係なく、内容も素晴らしく「お芝居って、いいなぁ~」と、ただただ思いました。「演劇」というよりも、「お芝居」という言葉がしっくりきます。それって、最近無かったことで、見に来て本当によかったです。

さらにその後、今月オープンしたばかりの、神楽坂にあるBAR兼オルタナティブスペース「絵空箱」へいってきました。
このスペースは僕の大学時代の先輩の、高校時代の先輩が店主をしているお店で(要は知り合いの知り合いですね)普段はBARとして営業し、演劇やダンス、ギャラリーとしての一面も見せるお店です。

店主さんが演劇をやっているということもあり、2階には稽古場まであります!

実際その場所に行って、そこにいる人と話して、自分の作品、自分の表現を外に出していく機会を作っていくことで、その欲望、そこにある自分自身について気づく。ということがあります。

今日も店主さんとそのお仲間の皆さんとお話をして、ついつい長居してしまいました。面白い場所には、面白い人が集まり、面白いことが起きます。ぜひここでダンス作品の上演が出来たらいいなぁと思いました。
作品は作るだけでなく、見てもらわなければなりません。そのために一歩一歩、少しずつでも前進あるのみです。

明日からのリハーサル頑張ります!

2011/03/24

公演終了!!

倉田翠+京極朋彦『頼むから静かにしてくれ』公演終了しました。
嬉しいことに沢山の方にご好評いただきました。倉田さんとは今まで先輩、後輩としてお互いの作品を見たり、話をすることはあっても、二人で作品を作ったのは初めてだったので、なかなか大変でした。

でも本当にやってよかった!ソロばかりやっていると研ぎ澄まされていくものがあると同時に、失われていくものもあると感じました。人と踊ることの楽しさを改めて感じられるよい機会でした。

そして今回本当にスタッフに恵まれました。上の写真は公演中のメンバー。玄さん柴田恭平みたい。

この格好でライブで音出してくれました。いかしたヤローです。

また是非このメンバーでやりたいです!というかやります。

2011/03/22

小屋入り!そして明日は本番!!

今日はロクソドンタブラックにて劇場リハーサル&ゲネでした。
初めて踊らせていただく劇場、新作の公演、そして明日は公演初日(にして楽日ですが・・・)。

初めてずくしで、ワクワクします。今日ゲネをやってみて、本当に今回の作品をやってよかったなと思いました。
ってまだ終わって無いのですが、明日はきっとあっという間に終わってしまう気がするから今のうちに、この幸せを噛みしめておこうと思います。

今回、音楽の玄さんも、かなりライブで音を出してくれることになったので、今回はデュオとはいえ、三人の共同作業といった感じで、もはやトリオです。

今までソロで、孤独な戦いをしてきた分、三人で今日も車で小屋入りして、帰りにファミレス行ったりとか、フツーのことがやたら楽しい気がします。一緒に作品を作る仲間がいるってことは本当に心強いし、ありがたいです。

明日は2ステ、頑張ります!

新作公演!

明後日(23日)大阪天王寺、ロクソドンタブラックにて倉田翠+京極朋彦ダンス作品 『頼むから静かにしてくれ』が上演されます。詳しくはNEWS欄にて紹介されています。

今回のタイトル『頼むから静かにしてくれ』結構気に入っています。
明日は劇場リハがあり、ゲネプロがあり、もう明後日は本番です!

作品のイントロダクションとして、倉田さんの作品コメントを載せます。

わたしの当然の「毎日」が、あなたにとっていかに異様なものであるか。
あなたの心地よい「日常」が、わたしにとっていかに不快なものであるか。
それでもそちらを選択する場合に伴う、非常に幸福な苦痛について。

うん。素晴らしく整理された、この作品に相応しいイントロ。こういう文章からもわかるように、倉田さんは、僕とは全く人間の作りも中身も真逆と言っていい人です。
が、それだからこそ面白いものが生まれます。僕も彼女とやることによってかなり苦戦してますし、そのおかげでかなり新しいモノが引き出されている気がします。とにかくリハーサルが楽しいです。もちろん出来た作品も、観客の皆さんに、楽しんでもらえると思います。

ぜひ、余裕のある方、都合のつく方は、劇場に遊びにいらしてください。ちなみに後二組が同時上演されます。この二組は全く見たことが無いので、何とも言えませんが。

2011/03/19

上がったてんの~下がってんの~

地震から一週間が経ちました。
実際、京都の生活は、地震以前と変わっていないように思えます。
しかし、見かけは変わらなくとも、皆、言いえぬ不安を抱えているように思えます。
行きかう情報、見えない恐怖といったストレスはゆっくりと心を犯していきます。多かれ少なかれ、誰もこのことからは逃れられない状況にあります。

ただ、そんな中、僕たちは作品を作っています。ハッキリ言ってこんな精神状態では、まとまるものも、まとまらないと、思ってみたり、まとまらなくてもいい、今この状況で作ることが大事だと思ってみたり、いやいや、それを言い訳にはすまいとか、それどころじゃないんじゃないか?何かもっと有益なことが出来るのではないか?とか、別にそんなこと取り立てて、公にしなくてもいいとか、様々なことを思いながら、散らかりまくった心情を抱えつつ、それでも作っています。

無理はせず、冷静に、着々と、いつもの通り、路頭に迷いながら(笑)
四日後には本番です。そして京都には春の気配がチラリ。

2011/03/13

東北・関東の地震について

これほどまでに「日常」というものを意識させられたことが今まであっただろうか?

京都は普段と全く変わらない「日常」が続いている。むしろ日常に「」を付けて、動揺を鎮めるように、祈るように、努めて日常を「日常」として過ごしつつ、皆、自分に何が出来るだろうか?ということを模索している。

ショックの度合いは当事者とは比べものにならないほど少ないし、ストレスもその少なさに罪悪感を感じるほど「ない」。ただ淡々と、ご飯を食べ、働き、眠りにつく。

実際僕は地震が起きた時、稽古の真っ最中で、揺れたことにすら気がつかなかった。稽古が終わり、ツイッター上で今回のことを知った。

その後、数々の報道と、実家の家族との会話を経てもなお、実感のようなものは「ない」まま現在にいたっている。

ただその実感の「なさ」みたいなものに、出来ることは沢山「ある」のだと思う。

関西に節電の呼びかけがあるという情報も、何となくヘルツの違いがあるのに、意味あるんかな?と思い、やたらにまわってくる友人からの節電メールを転送せずにいたら、やっぱりその情報は信憑性のないものだった。

飛び交う情報と多くの善意がごった返す中、非情なまでの実感の「なさ」が冷静な判断を生む。
「ない」ことを「ある」ように見せかけてもしょうがない。「ない」以上は受け入れるしかないし、「ない」から始めるしかない。

そのことが、いま、自分のすべきこと、出来ることを見極めつつ「日常」を送る原動力となっている。

そして、自分はモノを作ることで生きているから、ただただ作り続ける。

10日後に控えた本番に向けて、稽古は順調に進んでいる。少なからず、今回の地震のことは作るものに影響を及ぼすと思うが、本当に淡々と作品を作っている。

だから僕は、今回の本番が東北・関東の人々にとって役に立つなんてことはないと思うけれど、作家としてモノを作り続けるという「日常」を送り続けようと思う。貯めてたTポイントは全額寄付してみたけども。

2011/03/09

稽古日和

今日はバイトが休みだったので、久々びゆったりと朝ごはんを食べて野外稽古へ。
まだ外は寒いけど、日差しは少しずつ春めいて来ています。

最近ずっと窓のない部屋でリハーサルをしていたので、ひさびさに外で体を動かすのは気持ちがいいです!今日は一人での稽古でしたが、最近本当に二人での稽古が面白いです。

倉田さんは定規で測ったようにというか、もう定規みたいに踊ります。自分にはないもの、自分にはない考え、違うゆえに上手くいかないことも含めて、学ぶことは山ほどあります。
まあ今まで一人で稽古しすぎて来たせいもあるのかもしれませんが・・・

そして先日、タイトルが仮決定。まだ決めかねています。
作品全体の方向性は決まってきているのですが、稽古を重ねて行くうちに、色々欲が出てきてしまって、全体の尺もまだ確定していません・・・

倉田、京極それぞれの「うるささ」と「静けさ」がぶつかり合い、重なりあう20分。か25分か30分ぐらい・・・の作品になると思います。about~

ともあれ、面白いモノになりそうです。今週からはサウンドメーカーの玄さんも加わり、稽古も佳境!頑張ります!

関西方面にお住まいの方は3月23日(水)、平日ですが昼夜公演ございますので、ぜひ大阪、天王寺、ロクソドンタブラックにお越しください!

2011/03/06

気がつけば三月

気づけばもう三月ですね~
全く温かくならないけど・・・

さて、横浜の『カイロー』も終わり、新作デュオのリハーサルが、ゴリゴリ進んでおります。
ここ二三日、東京でのリハーサルにも顔を出していたので、バタバタとしていましたが、どちらもある程度成果を残しつつ、次へ向かう環境を整えられた形で三月に入れたので、良かったです。

東京では4月に向けて、青年団の皆さんと稽古させていただきました。青年団の役者さんたちは、それぞれにいくつもの本番を抱えながら、ハードスケジュールをガンガンこなしていて、本当にタフです。
そんな姿を見ていると自分自身も気合が入ります。4月が本当に楽しみです。

さて、話は前後しますが、今回の新作デュオ。お互いに振付・出演・演出をやったことのある二人なので、何というか、話が速い!

お互いの方法論とまでは行きませんが、今まで経験してきた事の引き出しから、何かを取り出す、その速度というか、手つきみたいなものと、それらのぶつけ方とフィードバックが心地よいです。

演出家どうしガチンコでぶつかってみたり、ダンサーどうし呼吸を合わせてみたり、平気で2時間ノンストップやったりしながら、感覚神経全開でリハーサルが続きます。

そして、稽古が始まる前の緊張感と終わった後、次の稽古では、どう仕掛けるか?を企みつつ家路につく感じ。

ゾクゾクする日々が、しばらく続きそうです。

2011/02/27

ブログも気づけば一周年。

はい!いまさらですが2月20日で、このブログも一周年を迎えました!
20日は横浜の本番の日だったのですっかり忘れていましたが、そうだったんですね~

ブログを始めた日のちょうど一年後に横浜で本番をしているとは!何とも奇遇というか、運命的というか、感慨深いです。
東京でのソロ公演が決まってからの一年間、こうしてブログを続けていると「ブログ見たよ!」と言ってくれる人がいたり、サイトを通じて公演を見に来て下さる方がいたりと、いいことが沢山ありました。

改めて、このブログを始めてから今まで本当に様々な方々に支えられここまでやってきました。今後とも京極朋彦をよろしくお願いします。

当面はソロの予定はないのですが、今さらなのでブログタイトルは「京極朋彦ソロダンス企画」のまま行こうかと思います。特に新しい名前も思いつかないので。

と、言うことで本日は倉田さんとのリハーサル二回目がありました。

今まで一緒に作品を作ったことはないのですが、すごくやりやすいというか、同じようなことを考えていたり、同じような考え方をするけれど、それぞれの出す結果は全く違うみたいな、心地よいボケとツッコミみたいな。
そして何より自分の名前で作品を作って発表してきた者同士の、作り手としての意識みたいなものがバチバチぶつかってる感じが、また良いのです。

喧嘩したら勝つけど、後で毒盛られて殺されるかも、、、みたいな。

そんな感じで、早くも面白いもんが出来そうな予感がしております。

で、明日は早速、衣裳を持ち寄ってあーだ、こーだ言い合うことになりました。衣裳重要ですからね。

そしてそして、4月の青年団若手自主公演の方も着々と動き始めました。
今日は横浜で通訳をしてくれた、今回の演出・振付を担当するブライアリーと電話で作品について話しました。日本語ホントに上手。英語頑張らなきゃな、俺。

こちらもNYからダンサーや音楽家、写真家が集まり、面白そうな作品になりそうな予感、満点です。

もうすぐ怒涛の2月が終わりますが、結局3月、4月と怒涛の日々が続くので、もう「怒涛」とか言うのやめて「これが日常だ」と腹をくくった方がよさそうです。
ガンバろ!

2011/02/21

『カイロー』横浜公演終了!!


京極朋彦ソロダンス企画『カイロー』、横浜公演、無事終了しました!

今回、TPAMショーケースに登録したおかげで、海外からのお客様に作品を見ていただくことが出来ましたし、昼と夜の回はおかげさまで満席でした!

本当に沢山の方々に支えられ、ここまでやって来られました。『カイロー』に関わってくれた皆さま、ならびに見に来ていただいた皆様にあつくお礼申し上げます。

宣伝美術の岸やん、撮影の黒田くん、制作の濱見さん、照明の南さん、通訳をしてくれたブライアリー。今回も少人数の座組みでしたが、本当によいチームに恵まれました。もちろんSTスポットさんのご協力合ってこその今回の公演ですので、STスポットを背景に記念撮影。

そして今回横浜には来られなかったけれど、照明プランの富山くん、衣裳の清川さん、ほんとにほんとにありがとう!

東京、京都、横浜と毎回違う座組み、違う会場で臨んだ『カイロー』。再演を重ねるごとに作品がよくなっていくのを感じました。ソロダンスとは言いながら、本当にスタッフと観客の皆さんに育てられた作品で、踊っている時も一人で踊っている気がしませんでした。本当に幸せな時間を過ごさせていただきました。

またどこかで出来る機会があればいいなぁと思います。

そして、今から京都へ帰ります。そして明日からは、さっそく、次回作に向けて動き出します。
がんばろ~


2011/02/17

横浜四日目!!


憧れのSTスポットに『カイロー』のフライヤーが!嬉しいです!

今日は朝からリハーサル。後夕方から横浜へ。

ところがここは本当に横浜か?ってくらい関西の知り合いに会います。

と、同時に関東の知り合いと海外のビジターにも会うので、今自分がどこにいるのかよくわからなくなります。

とりあえず沢山のショーケースやプレゼンテーションブースを見て回り、ラストは海外ショーケース二本立て。

HAPPLAYの時も思ったけど自分の作品をTPAMのようなフェスに出すことは、アピールという面はもちろん、作品にとっても非常にためになります。あらゆる価値観が渦巻くフェスの中で、自分のスタンスが試されるわけですから、否応なしに揉みくちゃにされます。

挫けそうになります。
しかし、これをしに来たんだ。こうされに来たんだ、と自分の胸に手を当てて考えてみると、全てが肥やしになるもんです。オスッ!

数多ある作品、数多いるアーティストの中で、揉まれながら『カイロー』はさらに進化します!

そして個人的に予約メールをくれる人が、ぽつぽつと増えてきました。本当に嬉しいです。

そして明日は再びダンサーインザ蚤の市!15:00から~!