2013/05/28

KYOTO DANCE CREATION vol.2 !!

 
さあ!今年もKDCの季節がやってきました!
今年は京都から一組、京都外から三組という異例のラインナップですが、去年に引き続き本当に魅力的なメンバーが揃いました!
 
現在絶賛予約開始中です。京都市内を中心にフライヤーを見かけた方はぜひ手に取ってみてください!
そして今年も、劇場でお待ちしております!!


2013/05/22

終わりなき『理想の森』

京極朋彦ダンス企画『理想の森』無事終了しました!
見よ!あの舞台からは想像もできない脱力系の楽屋を!近日、舞台写真をアップしていきますので、そのギャップをお楽しみいただければと思います。
本当に今回、よきメンバーに出会えたと思います。このメンバーは現時点で、僕にとっての最高のクルー達です。本当に体力の限界まで頑張ってくれました。感謝!!

今回は、自身の中でも最大規模、出演ダンサーも最多の公演でした。
役者を目指して京都に来てから10年。いつの間にかダンスの道を志してから8年。
ずっと憧れだった芸術センターでの公演をすることができたこと。
そして素晴らしいダンサー、スタッフ、仲間たちに出会えたこと。
全てに感謝したいと思います。

新しい「理想の形を見つけたい」という今回の作品コンセプトから一番大きなプレゼントをもらったのは僕自身でした。
本当にやってよかった。10年後、20年後の自分にとっても今回の公演は、大きな意味を持つと思います。

当日会場にお越しくださった観客の方々、京都芸術センターの皆さん、並びに関わってくださった全ての方々に、深く感謝したいと思います。

千秋楽が終わってから、抜け殻状態でしたが、明日からも更なる「理想」を追い求め、日々精進していきたいと思います。
本当にありがとうございました。

そして、自身の近況について。
今回やってみて、ひとまず振付家としての活動を一区切りして、ダンサーとしての活動に重点を移動させようかと考えています。

それは振付家としてダンサーにかけてやることのできる言葉や経験が、自分の見たいものを明確に作るためにはまだまだ未熟だということを今回、痛感したこと。
そして、ダンサーにかけてやれる言葉は、自分の体についての探求から来ているし、そこから来たものでなければ人に伝わらないという実感を持ったことが大きいです。

もう一度自分の体に戻ってダンスを考えてみたい。そう思いました。

もちろんこれからも、振付作品を上演する機会はあると思うのですが、向こう何年かは、これだけの規模の作品を上演することは無いかと思います。
それもこれも、今回思いっきりやってみて、ハッキリしたことなので、本当にやってよかったと思います。

今回の作品に関して、様々な意見を頂戴しました。そのどれもが今の自分を見直すきっかけを与えてくれ、更なる課題を発見するのに大いに役立ちました。
「まだ未熟だから」とか「自分のやりたいことが明確になっていないから」といって、アウトプットすることを恐れていたら、結局この経験はできなかったし、まだまだ失敗を恐れる年齢でもない。

自分の本当にやりたいことなんて、事前にわかっていたら苦労ないし、面白くないわけで、とにかくやってみることが、自分の欲求を形作っていくのだと思います。

もうしばらくは生意気のままで、ケチョンケチョンに言われながらも、続けていこうと思います。

そして明日からはありがたいことに、次回出演作、木ノ下歌舞伎『三番叟』チリ公演に向けて、なまった体をたたき上げます!
約二か月、全く踊ってなかったので不安ですが、足掛け4年やっている作品なので、体が覚えているはず!

地球の裏側に向けて、ダンスの探求が再び始まります!!

2013/05/18

『理想の森』明日が千秋楽!!

京極朋彦ダンス企画『理想の森』、本日はアフタートークゲストに音楽家の原 摩利彦さんをお迎えしました。
今回のトークゲストは芸術センター共催事業ということもあり、、コーディネートを芸術センターに依頼したところ原さん、そして明日のトークゲストの松井智恵さんをご紹介いただきました。

原さんは今回の作品をとても気に入ってくださったようで、音楽にも通じる話ができ、とても有意義な時間でした。

本番も昨日はプレビュー公演ということもあり、ダンサーも初めての観客の前で踊ることに緊張しているようでしたが、今日は立ち位置や、音の取り方など劇場に入ってみなければわからないことになれ、この作品の「遊び方」を心得始めたようです。

自分の作った作品が、そこしずつ自分の手を離れていきます。それは見ていてワクワクするし、何より自分が一番楽しめる瞬間です。

今日の公演にはそんなシーンがたくさんありました。
明日は15:00と18:00の二回本番があります。
15:00の回にはアフタートークがあります。ゲストは美術家の松井智恵さんhttp://mem-inc.jp/artists/matsui_j/ http://www.chie-matsui.comです。

最後の最後まで、少しでも良くなるよう努めます。ぜひ劇場に足をお運びください。

明日、振付家として踏み出し始めたばかりの自分には、不釣り合いなくらい、大きめの夢が見られそうです。

京極朋彦ダンス企画『理想の森』プレビュー公演終了記念、ダンサー紹介、番外編!

京極朋彦ダンス企画『理想の森』プレビュー公演が終了しました!
当日沢山のお客様に来ていただき、客席はほぼ満席!ありがたいことです。ということで京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介、番外編!衣裳だってダンスの一部!でお馴染みのハイパーおしゃれ番長、衣裳、清川敦子!
彼女には、かれこれ5年以上、衣裳をお願いしていて、何度かこのブログでも紹介した気がしますが、今回も衣裳だけでなく、作品の内容に関しても頼りになる、僕のダンス作品にはなくてはならない存在です。
今日は開演直前に、仕事を終えたその足で来てくれて、最後のチェックをしてくれました。それがダンサーにとってどんなに心強いことか!
ダンサーとして彼女の衣装を着る時、最後に彼女に「ヨシ!」と言ってもらうと、気合が入ります。
衣裳も一緒にそして彼女もいっしょに踊っています。そんな夢が一緒に見れる、素敵な衣裳さんです。

そして今回も彼女と共に、初日を迎えることができました。上演中は衣裳さんはよっぽどのことがない限り、客席から見てもらえるので、彼女はいつも僕の最初のお客さんです。
それはそれで毎回気が引き締まるものです。

そして迎えた初日。
小屋入から本番までが一日しかないので、初日の公演をプレビュー公演として上演しましたが、お客さんが予想以上に来てくださり、良い緊張感が生まれていました。

プレビュー公演の収穫としては終了後、厳しい意見(作品内容に関して)を下さったお客様がいて、本当に幸せなことだなと思いました。
そこまでこの作品について考えてくださり、言葉にしていただけることは、なかなかあるものではありません。
今日のことを踏まえ、明日からの本番をよりよくできるよう努めます。


そして何より今回、自分が出演していないので、自身が初めのお客さんになることができます。
本番がしっかり見られることはとても嬉しいことです。

こんなことを言うと「甘い」といわれるかもしれませんが、本番中、細かいことは気になりますが、基本的には最高に楽しくて嬉しい時間です。

明日もこの時間が訪れると思うとワクワクします。ぜひ明日も会場に足をお運びください!
お待ちしております!

2013/05/16

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介パート8

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入り一日目にして、明日本番!ということでダンサー紹介パート8、ラストを飾るのは島の神こと、島崇(シマ タカシ!!
島君も京都造形大学の後輩に当たり、マレビトの会の作品や、日野晃さんの作品に出演するマルチプレーヤーです。去年、伊藤キムさん振付作品『go-on』でも共演させていただきました。

今回、島君は作品の核を担っているといっても過言ではないくらいの大活躍を見せてくれています。豊富な運動量と長い手足、そして何よりその、ひたむきに稽古する姿勢が、彼のダンスを日々進化させています。

そして誰よりも今までの自分から、新しいところへ行こうとする姿勢があり、日々、島君にどんな言葉をかけることができるか、僕自身が鍛えられています。

そして今回、本当に難しいと感じるのは、集まったダンサー8人のバランスについて。
体型もバックグラウンドも違う8人が、どうしたら一緒にいられるか?何がダンスとなり、どんな関係が結ばれるか?
それを問うとき、その中心にはいつも島君がいます。
そして稽古場でも、かなり鋭い目で全体を見渡し、瞬間瞬間の判断をしていく。そのスピード感は、驚くべきものがあり、僕自身ダンサーとして学ぶことも多々あります。

それはきっとダンスに限らずに、第一線で活躍する人々と共に過ごした時間が島君の体内に蓄積され、骨肉化されているのからなのでしょう。

一度言ったことの次には、必ずそのレスポンスが返ってくる。この反射神経は振付をしていて本当に面白い部分でもあり、僕自身の更なるレスポンスが要求されるということでもあるのです。
僕はまだまだ未熟ですが、島君を通して、改めて振付というモノの難しさと、面白さを学んでいる最中です。

これだけ褒めて、明日からの本番が逆に心配ですが、本番は本番の島崇が、必ず立ち上がってくるはずです。それだけの信頼と、それを裏付ける稽古量が、彼にはあります。

明日、島崇の次なるステージが開演します。僕はそれを心待ちにしている観客の一人でもあるのです。



島の神と呼ばれる所以は、単にそういうシーンがあるというだけでなく、

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介パート7!!

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入りまであと1日!ということでダンサー紹介パート7は天才ダンサーこと、芦谷康介(アシヤ コウスケ!!
今日紹介するのは僕の大学時代の先輩に当たり、もう何回も共演経験のある芦谷さんです。実は今まで僕が共演してきたダンサーで最も同じ舞台を踏んできた数が多いのが芦谷さんで、演劇も含めると5作品は一緒に舞台に立っています。
 
その体からは独特のオーラが漂っており、最近は哀愁すら感じられるようになってきました。
そしてその美しい鼻の曲線美。
芦谷さんを一言で語るのはとても難しく、その、つかもうとすればスルリと逃げてしまうような存在感は、ある種の普遍性に開かれています。
 
極端に言えば、「芦谷さんは何にでもなれる」気がするのです。
姿かたちがニュートラルというわけではないのですが、なぜか着ぐるみを着るように、芦谷さんは変身します。
 
今回の作品では芦谷さんの武器であるこの「なんにでもなれる」ことを利用しつつも「芦谷さん本人」に迫ってみたいと思っています。その一つが「男、芦谷康介」というものです。
 
芦谷さんも普段から優しく、穏やかな性格で、怒ったり、怒鳴ったりは一切しないのですが、今回は芦谷さんの欲望の根源的な部分に迫ってみたいと思っています。
そこから新たな芦谷さんの魅力がひき出てくる予感がしているからです。
 
しかしながら、言うは易し行うは難し。なかなか苦戦しております。僕自身、振付家として走り始めたばかりで、どう一人一人のダンサーに言葉をかければよいか、それぞれの体に合ったレシピを書くことができるかには、常に苦戦しています。
 
だからこそダンサーから教わることがたくさんあります。
先日、手を叩いて稽古を止める僕を見て、芦谷さんがこんなことを言いました。
「そういえば、手を叩くと何で終わるんやろ?」
日常を生きていることと「はい、スタート!」「はい、ストップ!」の間の時間は、どこを彷徨っているのか?本番をするという意識はいったい何なのか?
この問いは深すぎで、一瞬あっけにとられましたが、目からうろこが落ちるようでした。
 
明日から小屋入りです。稽古場とは違う空間で、過ごす日々は本番へと向かって行きますが、それは稽古の延長上にあり、日常と地続きの時間軸にあるはずです。
 
しかしながら本番はやはり、普段とは違う時間が流れるような気がしています。

当日劇場では、きっと芦谷さんが新たな魅力を旗に掲げ、70分の時間旅行のアテンダントをしてくれるはずです。きっと!!
 
そして次回はいよいよダンサー紹介、最終回!!
芦谷さんの後ろに迫る黒い影!今回大活躍のあの男の登場です。乞うご期待!!
 
 
 


2013/05/15

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介パート6

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入りまであと2日!ということでダンサー紹介パート6は今回、イメチェンNo.1の殿井 歩(トノイ アユム)!!
今回彼女は人生初のヘアカラーチェンジをし、見事なイメチェンをはかりました!
普段から本当に控えめで、恥ずかしがり屋の彼女は写真でもこんな感じなので、彼女を知る人ならば、この決意がいかなるものか、わかるはずです。

今回のメンバーは黒髪率が高かったので、もう少し髪色明るい人がいてもいいな、という話をしていた時、彼女は自分から「髪を染めたいです」と申し出てくれました。
僕はこの申し出を即採用しました。彼女が自分から申し出てくれたことが嬉しかったですし、何より人が変わろうとするときのエネルギーって、素晴らしいと思っているからです。

実は彼女はものすごいハングリー精神の持ち主で、日々稽古場でも全力で踊ります。
だから彼女の踊りはいつも切実です。
彼女の日々の思考とその表れが、様々な現場でクリエーターたちの心を離さないのは、舞台上の彼女の切実さ、彼女の思考の積み重ね方によるものだと思います。

演劇作品を中心に様々な演出家の元、修行を積んできた彼女は稽古場で何を求められているか、そのことを一番理解している気がします。
そして、それに甘んじず、思考と試行を続ける彼女の姿は、他の出演者にも多大なる影響を与えています。

今回の座組みは本当に、ある意味ギリギリのバランスで成り立っている集団と言ってよいと思うのですが、僕は彼ら、彼女らを「まとめよう」等とは思っていません。
むしろまとまらない 笑
そのことが、この作品に大きな広がりを持たせています。
本番ギリギリまで、彼女には思考と試行を繰り返してほしい。そのことが、作品にとって必要です。

本番までの稽古は残すところあと2日。ギリギリまで僕は彼ら、彼女らを見届けます。
劇場という場は、単なる建物ではなく「劇」に向かう者とそれを見届けるものの共犯関係の上に成り立っているものだと思います。

ぜひ彼女との共犯関係に手を染めてください。劇場でお待ちしております。

2013/05/13

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介パート5

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入りまであと3日!ということでダンサー紹介パート5は一人でも七福神!稽古場の女神こと富松 悠(トマツ ハルカ)!!
はい!出ました富松スマイル!
もはや稽古場に、この人は欠かせません。
彼女は僕と京都造形大の同期で、かれこれ10年来の付き合いになりますが、そのタフさ、素っ頓狂さ、そして底抜けの明るさは年々パワーアップしてきています。

卒業後、伊藤キム主宰「輝く未来」に所属し修業を積んだのち、現在はフリーダンサーとして関西をベースに活動しています。最近では、高嶺格、山下残、ミクニヤナイハラプロジェクトや、きたまり作品に参加、活動の幅を広げています。

初めて僕が東京にデュオ作品を持って行った時の相棒も彼女でした。僕自身、初めての振付作品であり、自身も出演、しかもアウェイの東京上演。
無謀ともいえる挑戦でしたが、彼女は快く引き受けてくれました。

その時は死ぬほど苦労しましたが、彼女との死闘の日々が今の自分を作っているのは間違いありません。それ以来彼女は、僕にとって戦友です。

そして、あれから四年、またしても無謀とも思える今回の挑戦に、彼女を誘いました。
どうしても彼女の力が必要だという確信があったからです。
そして彼女はさらりと承認してくれました。このような関係が保てる仲間がいることは、大変な幸福であると思います。

稽古場でも、僕の言わんとすることが何であるか、最初に察知するのは彼女であり、初めて僕の振付を受けるメンバーは必然的に彼女を“姉御扱い”するようになるという図式が生まれます。
彼女は抜群に面倒見もいいので、稽古場では皆に頼りにされる姉御として、大活躍しております。


そして何より彼女の踊りは年々進化し続けており、その姿に僕は、10代のころの彼女からは想像もできない強さや、美しさを見ます。

様々な困難を乗り越えてきたであろう彼女の踊りは今、どんどんと清々しさを獲得し始めているようです。
ぜひ劇場に彼女の踊りを目撃しに来てください!

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介4

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入りまであと4日!ということでダンサー紹介パート4、破壊力No.1楠毅一郎(クスノキ キイチロウ)!!
楠さんは謎のベールに包まれた人です。彼は僕が開催していたワークショップ「身体能力向上委員会」に参加してくれてことをきっかけに、今回ダンサーとして参加していただくこととなりました。
 
 
現在、京都造形芸術大学の四回生で、去年、伊藤キムさんのクラスを受講していました。僕が彼のダンスを始めてみたのはその伊藤キムクラスの授業発表公演でした。
 
その大きな体を生かしたパワフルな踊りとは裏腹に、普段は穏やかな紳士です。
彼を今回の作品に誘ったきっかけは単純に「この人はなぜ踊るのだろう?」と思ったからです。
それは言い換えれば「この人はなぜ、踊りに向かおうとするのか?その秘密を知りたい」ということでした。
 
今回の座組みでは最年長の楠さん。にもかかわらず皆の中に違和感なくスッと入りこんでは、時折、とんでもない爆発力を発揮する楠さん。いまだにその秘密は解き明かされていませんが、一つ言えることは、この作品には彼が必要不可欠であるということ。
 
彼は実はこの作品において、かなり縁の下の力持ち的な役割を果たしています。
皆が向かう方向と、一人違う方向に歩き出しても、それを成立させてしまうような、不動の存在価値を持っている楠さん。
僕は彼の存在に、ダンスという自由について、多くを学ばせて頂いています。
何がダンスになるのか?その問いについて、多くの検証素材をさりげなく提示してくれる楠さんの体は、大きな器のようにこの公演を支えているのです。
 

ぜひ楠さんのダンスを劇場で目撃してください。新たなダンスの可能性が見られるはずです!


2013/05/11

アフタートークゲスト、松井智恵さんにお会いしてきました!

先日、今回の『理想の森』のアフタートークに、ご出演いただく美術家の松井智恵さんにお会いしてきました。
今回京都芸術センターにアフタートークゲストのコーディネートを依頼して来ていただくことになったので、今回が初対面でしたが、共通の友人も多く、夢中で話しているうちに、あっという間に時間が流れてしまいました。

キャリアとしては先輩も先輩!僕の生まれた年には既に作品を様々な場所で発表されており、貴重なお話がたくさん聞けました!

今日はリハーサルが休みだったので、ダンサー紹介は次回にしまして、松井さんとお話しさせていただいた中で、印象的だった事について書きたいと思います。

それは、作品を作る自由と、不自由について。

作品を作ることは基本的に「自由」です。
作ったって、作らなくたっていい。
それなのに何故か「作品を作りたい」という初期衝動はいつしか「作品を作らなければならない」と変換されてしまい、どんどん不自由になってしまう。

そもそも僕はいつも、生きていることの中で「もっとこうだったらいいのに」とか「こんなことが嫌だ」という「不満」から作品を立ち上げます。その「不満」があるからこそ自分は作品づくりに向かうのだとも思います。

しかしながら、作っていく過程でなぜか、無意識にこの初期衝動は“横滑り”し、変換されていってしまうのです。
それはなぜか?それは日常とは、常にその“横滑り”の連続であり、人はそうすることでそつなく日常を送ることができるからです。

社会生活においては、時に衝動をおさえなければならない事が多々あります。
その衝動と、それができないストレスや不満を難なく忘れながら生きていく事。
それは意識の安全装置として、人に強く備わっています。

この強固なシステムによって「こんなものは面白くない」「自分だったらもっとこうする」といった受容体験への批評も、いつの間にか自らの中に取り込まれ、気が付けば「面白くない」と思っていたものに抗うのをやめ、いつしかむしろ、それらを模倣している場合さえあります。

作品を作ることはやはり日常の延長にあり、日常とは切っても切り離せないものです。
しかし作品づくりの現場は、僕の場合、稽古場だけはそういた普段飼いならされた感覚から、少しだけ逸脱した場であって欲しいと思うのです。

子供のころ、砂場が無限に広がる想像の海だったように、ダンスが、決められた振付だけでなく、即興的な広がりに漕ぎ出すように、作品づくりの現場は「自由」であって欲しいと思うのです。

この強固な日常をやり過ごすためのシステムと、そこから「自由」になろうとすること。
この二つがあるからこそ創作は続き、この二つの葛藤はどこまで行ってもなくならないということ。
そして同時に、どこかで見たこと、好きだと思ったことも作品の中に無意識に取り入れられていきます。
そのことに気付くたびに、作家は作品を作る自由と、不自由について考えさせられるのです。

松井さんと話していて、作家として創作を続けていくということの意味をもう一度深くかみしめた様な気持ちになりました。

本番まであと一週間、まだまだその葛藤は続いています。
それでいいのだと思います。
松井さんとのアフタートークは19日15:00の回、終了後です。
観客の方々からもご質問承ります。是非にお越しください。

★アフタートークゲスト情報

5月
18日19:00 原 摩利彦さん(音楽家)http://www.marihikohara.com/
19日15:00 松井智恵さん(美術家)http://mem-inc.jp/artists/matsui_j/
http://www.chie-matsui.com





2013/05/10

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介3

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入りまであと8日!ということでダンサー紹介パート3は、アンニュイさNo.1出村弘美(デムラヒロミ)!!

 
今日の出村さんは職場からそのまま稽古に来たので、こんな感じ。
ヴィアイン京都市場室町は全く関係ありませんが(笑)
 
出村さんは大学の三つ後輩に当たり、在学中から演劇ダンス問わず、様々な作品に出演されていました。
最近は伊丹のAI・HALLで行われた、寺田みさこさん監修の「ソロダンスをつくる」というプロジェクトにも参加されています。
 
彼女もいわゆる「ダンス」のメソッドを習得しているわけではありませんが、僕が彼女の踊りに魅力を感じるのは、その、か細い体に中に得体のしれない「謎」を孕ませているからです。
 
彼女自身は、体も細く、声も小さく、普段から常に控えめで、謎めいているのですが(笑)踊る彼女の体は、この「謎」のベールが何層にも増幅し、展開しているように見えます。そしてその「謎」が見るものを惹きつけるのです。
単なる「わからなさ」ではなく「解きたくなる謎」を持つこと。これはなかなかやろうと思っても難しい。
 
初めて彼女が踊るのを見たのは彼女が在学中に、今回出演される殿井歩さんと踊ったデュオでした。
山田せつ子さんのクラスの授業発表公演でのワンシーン。二人の何とも言えない空気感と、切実な体の印象は鮮烈で、今回ダンサーを集め始めた時に、真っ先に声をかけたのが、この二人でもありました。
 
今回も実はこの二人にデュオをやってもらうシーンがあります。
「ダンス」とは何か?その問いに真っ向から立ち向かう二人の姿は、魅力的な「謎」に彩られています。
舞台とは不思議なもので、全く日常とは、かけ離れたフィクションの世界のようでいて、日常と地続きであり、舞台上の人と観客は同じ時間軸に乗っているようでいて、まるでかけ離れた世界を生きているように見えたりする。
 
舞台が日常を逆照射する、あるいは日常が舞台に乱反射する。
そんな事を彼女を見ていると感じることがあります。
 
ささやかでありながら、大きな波紋となって観客を包む。そんな彼女の踊りを、ぜひ劇場で体感してください。
 

2013/05/09

京極朋彦ダンス企画『理想の森』ダンサー紹介2

京極朋彦ダンス企画『理想の森』小屋入りまであと9日!ということでダンサー紹介パート2は、本日誕生日を迎えた、御厨 亮(ミクリヤ リョウ)!!


今日は、稽古場で、ささやかではありますが誕生日のお祝いをしました!
 
彼も以前、伊藤キムさんの作品『go-on~体の森をゆく~』で共演させていただき、役者での活動が多いながら、その独特の存在感はダンスでも健在。常に新しいことを模索し続ける、生粋のエンターティナーです。
 
今回僕はこの作品の稽古で、彼から最も勉強させていただいていると感じています。
もともと僕自身も演劇からこの舞台芸術の世界に入ったので、自分がどのようにしてダンスに移行していったのか?何に迷い、何が障害となり、どう乗り越えてきたのか?ということを稽古場で葛藤する彼から、改めて教えられます。
 
今回の作品に彼を誘ったのは、純粋に彼の実直な体のもつ魅力に惹かれたからです。
彼はいわゆる「ダンス」のメソッドを持っていないのですが、ダンサーとは異なる舞台上での体の魅力にあふれているように思ったからです。
 
その体の魅力を「ダンス」と名指すことが、今回の僕のテーマであり、挑戦です。
 
そしてその挑戦を、今はしてよかったと思っています。
なぜなら、稽古場での彼は辛辣に「ダンス」を問い、あと少しのところで「これはダンスだ」と証明して見せてくれそうだからです。
 
ぜひ会場に、その叫びを聞きに来てください!

2013/05/07

京極朋彦ダンス企画新作公演『理想の森』ダンサー紹介!

 
京極朋彦ダンス企画新作公演『理想の森』小屋入りまであと10日!ということで、本日から出演ダンサーを紹介していこうと思います。
トップバッターは『理想の森』ダンサーズ最年少の田中佑香(タナカユカ)!
 
今回最年少ながら、しっかりとした存在感を発揮しております。
初めて彼女に出合ったのは、ちょうど一年前の春、伊藤キムさん振付の『go-on~体の森をゆく~』という作品で共演させていただいた時でした。
 
あれから一年、ダンスのみならず、演劇でも様々な現場で経験を積んだ彼女は、今回本当に頼りになるダンサーとして踊ってくれています。
偉そうなことは全く言えませんが、今の彼女は、一年前の彼女と全く違います。
しなやかさと、強さ、抜群のパワーバランスを備えた彼女の踊りをぜひ劇場で目撃してみてください!
 
チケットはプレビュー公演が埋まり始めました。
他の回はまだまだ余裕がございますので、お早めにご予約ください!
 
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