2012/04/10

春宣言!!

お久しぶりです。春です。久々のブログ更新となりました。というのも3月末にあった伊藤キムダンスワークショップショーイングでバタバタとしており、すっかりご無沙汰になってしまいました。

そんな間に京都はすっかり春です。春は始まりの季節!伊藤キムダンスプロジェクト『go-on』も5月の春秋座公演に向けて、再スタート!さらに夏に向けて京極朋彦ダンス企画Presents KYOTO DANCE CREATIONも始動しました。

この企画では、初の自身のカンパニー作品、さらにはショーケース企画全体のプロデュースと、初めてのことばかりさせていただいております。初物づくしの春が始まります!
詳細は近日このブログにアップする予定ですので、お楽しみに!


さて、今回のこの企画に関して、チラシに掲載予定の文章を、ブログで一足先に公開します。

京都でダンスを作ること、ダンスを続けていくことに関して考えたことをまとめてみました。

今年度は自分にとって、大きな節目となる年になりそうです。頑張ります!!!

「企画あいさつ」 ~KYOTO DANCE CREATION に向けて~

私はダンスに関わってまだ数年ですが、これからダンサーとして、作家として、ダンスの探求というものを、様々な形で、できるだけ長く続けたいと思っています。

 
ただ、一言にダンスの探求といっても、様々な方法があり、それを続けたいという欲望は一見、単純に思えますが、実は様々な要素が絡み合った、非常に複雑な問題でもあり、そのことについて考えることが、今回の企画のはじまりでもありました。
私は今までダンサーとして踊ることと、幾つかのデュオ作品を除けば、主にソロダンスを作、演出、出演することで、ダンスの探求をつづけてきました。幸いにも自身の振付によるソロダンス作品は、様々な場所で上演させていただく機会に恵まれ、そこから多くのことを経験することができました。

そして私は今年、今までとは違うアプローチでダンスの探求をしてみたいという思いから、自身のダンスカンパニーを立ち上げました。 
その動機としては、今までのソロ、デュオといった単位ではない複数の体を扱うことで、ダンスへの異なるアプローチを試してみたいということが一番でしたが、もう一つの理由として、ダンスの探求自体を続けるためには、絶対的に「他者の存在」が必要だと考えたからです。

ダンスの探求を続けるための条件の第一は、当たり前のことですが「やめない」ということで、この単純なことが、精神的、経済的に厳しい状況下で、なんの補償もなくダンスを続けている個人にとってはとても難しいことだったりします。
どう「やめない」でいられるかということを考えたとき、そこには支えとなる他者が必要で、「他者が集まる場」が必要です。
それはソロダンスを、多くの人に支えられながら作り、上演、再演してきた私の実感でもあります。
結果、カンパニーを立ち上げることになったのですが、ただ、「やめない」ため、「支えあう」ためだけに集まるというのも、単なる馴れ合いになってしまう危険性があります。

どのような形でいい緊張関係を持った集団を作り出せるか、馴れ合いにならずに風通しの良さを保つことができるか、が重要で、そこには何か「仕組み」が必要だと思いました。

それがうまく機能すれば、集団での創作は、より強度のある作品を生み出す、あるいは生み出し続ける体制を作ることができると。

そもそも努力とか、心がけだけで、馴れ合いを防ぐというのもあまりに不確かな方法です。
そのために、自身のカンパニーだけでなく、他にもいくつかの拮抗しあうような場が存在し、互いに互いの質を問いあう緊張関係を設定したいと思い、振付家を複数立てて同時に作品を発表しあうという今回の企画の形を思いつきました。

場同士、作家同士が、つば競り合うような状況ができれば、その場に参加する作家、ダンサー、スタッフ、観客に至るまで、すべての個人にとって、より有意義な経験が立ち上がってくるのではないか?そしてそういった状況が、作家というものをより強く育てていってくれるのではないか?それがすなわち私の考える、場の風通しの良さを保つ「仕組み」でした。

若手の作家が出てこないといわれる昨今の関西ダンス界において、気合や根性だけではない「仕組み」を必要としている若手作家は、自分だけではないはずだと、常々思っていた私は自身のカンパニー発足と同時に、この「仕組み」ごと作り出さなければ意味がないと考えました。それが今回の企画の始まりだったのです。 

だから私にとってカンパニー結成と、この企画のプロデュースは、切っても切り離せない関係にあります。いわばこの二つがセットで、ダンス探求継続のための手段なのです。
 
この企画を始動させてみて、予想を超えて、多くの人に賛同していただき、実現にこぎつけた今、この構想は案外、的外れでもなかったと確信しています。「京都発、世界へ」なんて、自分でも大きく出てしまったと感じていますが、大きく出るのも若手の特権です。
今回の企画はこういった私の考えに賛同してくれた振付家、ダンサーをはじめ、様々な人に支えられて、初めて実現にまでこぎつけました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。(まだ企画は動き出したばかりですが!)
この企画が参加していただいた振付家、ダンサーはもちろん、スタッフ、観客を含めた、すべての人にとって、刺激的で、有意義な場になるよう、プロデューサーとして努めて参ります。
京極朋彦ダンス企画 主宰 / KDCプロデューサー 京極朋彦

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