2010/04/29

Emmi from Finland

チョンさんの公演の共演者であるエミーはフィンランドから来た女の子です。
実は僕より年下ではありますが、しっかりした子で何よりタフです。今年大学の舞踊科を卒業しマスタークラスに入学するそうです。

今回のダンサーは五人中、四人が日本人ですが、彼女は決してめげることなくリハーサルに挑みます。

慣れない土地、なれない人、そして初めて体験するチョンヨンドゥ流の作品作りに戸惑い、苦しみながらも、決してあきらめません。

今日は帰り道、二人で夜の鴨川をサイクリングしながらいろんなことを話しました。もちろん英語なので僕がエミーの話を理解するのに大分時間がかかったり、信号待ちで話が盛り上がって三回ぐらい青信号を逃したりしながら帰ってきました。

エミーはダンスについて話し出したら止まらなく、聞き取るのに精いっぱいなところに急に「トモヒコはどう思う?」的なことを聞いてくるので大変ですが、彼女は本当にダンスが好きなんだということがよく伝わってきます。

小学校のころ、家までの帰り道を友達と夢中になって話しながら、立ち止り、寄り道し、時にはこのまま家に着かなければいいのにとさえ思いながら帰ったのを思い出しました。

別れ際に「キョウハ ツカレマシタカラ マタアシタ」という意外にドライな日本語を披露したエミー(笑)
海外に自分と同じようなことを考えている同世代がいるということがわかって、とても勇気をもらいました。

ワークショップ三日目

今日で暑い夏ワークショップも三日目となりました。だんだん見かける顔が増えてきて、知り合いも増えます。話しているうちに共通の知り合いがいたり、同じことに興味があったりしてクラス以外でも毎日いろんな発見や驚きがあります。

しかしながら一番驚くのは自分の体の変わりようです。そんなに劇的な変化があるわけではないですが、すこしづつ動きがスムーズになったり、楽にコントロール出来たりするようになってきたのがわかります。

幸いなことに今回は記念作品に出演させてもらうことになったのでワークショップ開場とは別に確保されているリハーサル室を使わせていただけるので、ワークを受けた直後、それをじっくり復習できるし、学んだことをダイレクトに自分の振付に生かすことが出来るので、相当幸せな環境に居ます。

これが職業として成り立ったら、どんなに楽しいか!?とか思いつつ明日もバイトです。
明日は重力を感じながらフライパン振ってみようかしら?

2010/04/27

踊る人々

今回京都の暑い夏国際ワークショップには世界各国から様々な講師が来ています。

それぞれのクラスはそれぞれの講師のダンスに対する考えと実践が満載です。
受講生も国際的で、韓国、フランス、フィンランド、日本各地津々浦々から多くの踊る人々が集っています。
様々な国の様々な文脈を持った体が語るのを見ていると、飽きる事がありません。

そんな様々な考えと体を持った人々の中に混じっていると、自分はどう考えているかということに意識的にならざるをえません。

自分にとって踊る事は生活すること以上に、世界に参加している実感が持てることだと、考えてきました。
今まではそこまでで考えは止まっていたのですが、ここ二、三年で、その考えも少し進展してきました。
たとえば、一口に世界といったところで定義は曖昧で、今回のワークショップなどを受けるとその範囲は日々更新されていきます。

また、世界に参加する実感とは、もちろん痛みを伴うことも含めた実感のことで、それがゆえに踊る事を止めたくなることがしょっちゅうあるということ。

そしてそんなとき、自分を踊りにつなぎとめているのは「どんなに辛いことでも、悲しいことでも、何も感じないことの空虚感よりはましだ」という案外あっけない答えだったりすること。などなど。

しかしながら自分に何が出来て、何が出来ないかを知るためには、とりあえずやってみるしかないわけです。

様々な踊る人たちを見ながら、そんなことを考えていました。

2010/04/26

京都の暑い夏、始動!!

今日から京都芸術センターにて、京都の暑い夏国際ダンスワークショップが本格的に開催されました。
火山の噴火の影響で講師が一人来日できず、代わりに我らがチョンさんが代行をすることに。僕らも微力ながら応援に駆けつけました。

今年は参加者も多く、午前中のクラスは30人弱の受講生が来ています。芸術センターは一気にお祭りモードです。

今までチョンさんの動きを必死で追いかけていましたが、ワークショップが始まり、受講生の体とチョンさんの体を並べて見ることが出来るので、何が違うか?どんな仕組みで動いているか?ということが明確にわかり、とても勉強になります。

去年はついて行くのに精いっぱいでしたが、今年はより深く動きを味わえる気がします。継続は力なりですね。

そして嬉しいことに、ダンサーとしての出演依頼が舞い込みました。まだ詳細は明らかではありませんが、6月上旬、京都造形芸術大学にあるギャラリーRAKUで踊ります。詳しい情報が決まり次第NEWS欄にアップしますので、ぜひチェックしてみて下さい!

2010/04/25

週末のあれこれ

この週末はいろいろな作品を見ました。
一個目は映画。京都シネマにて『ベジャール、そしてバレエはつづく』


モーリス・ベジャールの死後、バレエ団を引き継いだジル・ロマンと団員達を追ったドキュメンタリーで、とにかくダンサーたちの体が美しいです。

どんな業界でもそうだと思うけれど、その業界に居る人たちにとっての「革新」と、その外に居る人たちにとっての革新との間には大きな隔たりがあります。


しかし、そんなことを超えて、誰もがその革新の息吹と興奮を享受できるものが、本当の意味での革新と呼べるのではないでしょうか?


というような偉そうなことを映画を見て考えました。この映画に出てくるダンサー達の体は、バレエのイメージからはみ出そうとしているように見えました。それはバレエを見たことにない人にも革新の息吹を感じさせるのではないかというほど魅力的でした。


二番目は舞台京都の劇団「地点」の『誰も、何も、どんなに巧みな物語も』。

この舞台は僕の踊りの先生でもある山田せつ子さんと地点の安部聡子さんが出演されていました。ジャン・ジュネのテキストをもとに作られ、劇中にもそのテキストが語られます。ジュネの言葉はやはり破壊力があり、たとえそれが日本語に翻訳され、日本人が喋っても見る者の知覚に訴えてくるものがあります。

三番目はアトリエ劇研のC.T.T.上演会

出演した全団体に知り合いがいたため、改めてみんなそれぞれに頑張ってるんだなぁと、勇気づけられました。
今度の夏に上演予定のソロダンスの初演がアトリエ劇研だったということもあり、上演中は自分のソロのことばかり考えてしまいました。
何をやるにしてもやはり最初に体の魅力がなけりゃ始まらない。アイデアはその後ろについてくるはず。夏に向けて精進せねば!

そして最後は京都の暑い夏国際ワークショップフェスティバルオープニングパフォーマンス@初音館

コンテンポラリーダンスを見たことがない友人を誘って見に行き、あとで感想を聞いたら「なんか夢に向かって頑張ってるって感じ」ということ。
うん。そうだよね。普通そうだよね。と改めて自分は「ダンスをやる側」に居るんだということを認識した気がしました。

明日からとうとう暑い夏ワークショップが本格的に始まります。本番まで二週間。ここからが勝負です。思いっきり楽しみたいと思います!

2010/04/23

ダニエル・レプコフ氏、来る

今日はチョンさんのリハーサルに今回の暑い夏ワークショップの講師でもあるダニエル・レプコフ氏が見学に来られました。
ダニエル氏はコンタクトインプロヴィゼーションの創始者であるスティーブ・パクストン氏と共にコンタクトを発展させたオリジナルメンバーの一人だそうです。
世界中で実践されるダンスメソッドを作った人たちのうちの一人ってことですね。

リハーサル後、少し話した内容の中で非常に興味深かったのは「疑問はどこからやってくるか?」という話。

今回のリハーサルでは様々な国籍、文化、経験を持ったダンサーたちが共同作業しているので当然数々の問題、疑問、ストレスが生じます。

もちろん日本人同士でだって、自分が疑問に思うことをほかの人は全く問題にしていなかったり、気づいてさえいなかったりということはあります。

そんな時、ただ早急に解決策を求めるのではなく、その疑問はどこから来たのか考えてみると、より多くの可能性が開けてくるし、遠回りのように見えて実は解決策への近道だったりするという話でした。

疑問が生まれるとき人は困惑し、その解決策を考えます。しかしそれをストレスに感じるか、楽しみに変換できるかは紙一重な部分があります。その疑問は自分の国民性から来たのか?個人的な経験から生じたのか?それらはいったいどこから来たのかを考えることは、たしかに、答えのなかなか見つからない、あるいはおそらく答えがないであろう事柄に出くわし、動けなくなってしまった時の一つの処方箋になるような気がします。

さらに面白かったのが「パーフェクトな関係性なんてない」という話。いくら稽古したって一度だって同じことは起きないのだから、大切なことは、その都度自分の目の前で起きていることを見定めること。パーフェクトを追い求めすぎたって疲れちゃうよっていう話もしてくれました。コンタクトインプロの創設メンバーがこういうと、なんか説得力あるなぁと思いつつ聞いてました。

なんかチョンさんもそうだけど海外から来る講師陣達はみんな、時たま子供のような目の輝きを見せる。日本にこんな目をした大人が一体どれくらいいるだろうかと、彼らの話す姿を見てついつい考えてしまう。

何を見て、何に目を向けるかは、その人も目の輝きを変えていくのかもしれない。

2010/04/21

スカパー並みのチョン・ヨン・ドゥ祭り


今僕はこの投稿をチョンさんの作品で使うことになった曲を聴き、ストレッチしながら書いています。
頭の中では写真に写っている楽譜のように緻密に構成された振付記号達が踊っています!
本当に最近、僕の頭の中は寝ても覚めてもチョン・ヨン・ドゥ祭りです。
でも今回、一連の火山噴火の影響で航空便の運航が滞っていて、予定ではすでに京都入りしているはずのヨーロッパ各地の講師陣がまだ来日していないらしく、来週からのワークショップフェスは唯一既に来日しているチョンさんのみの”本気チョン・ヨン・ドゥ祭り”になるかもしれないという噂が・・・それはそれで面白いけど。
ともあれここからが正念場。体のメンテナンスをしっかりしつつ頑張りたいと思います。

2010/04/20

春の小雨と能楽の夜

今日の京都は朝から雨が降ったりやんだり。まだまだ傘とマフラーが手放せません。

さて今日のリハーサルでは全体の構成案が明らかに!今までやってきたことがパズルのように構成されています。ますます面白くなりそうです。
曲も決まり、それに合わせた振付も新しく加わり、だんだんと作品が形作られてきました。
自分で振りを作るときとは全く違うプロセスを体験できて、本当に面白いです。

そして稽古終わりにはcafe independantsのイベントに行ってきました。
イベントの名前は「穀雨(コクウ)」。能楽師や和太鼓といった日本の伝統的なパフォーマンスと映像作家やサウンドクリエーターのコラボレーションといった趣旨のイベントで、平日にもかかわらず大盛況で立ち見でした。

能楽師の人がカッコよかった。「シテは客を殺しに来る」っていうけど、能の動きって隙がないから本当に殺されるかって思う瞬間があります。

ちなみに「穀雨」のとは日本の二十四節気の一つで、太陽暦ではちょうど今日、4月20日頃を指す言葉。その意味は「百穀を潤す春雨」という意味だそうです。

そう聞くと今日が小雨なのも風流に思えてきます。

2010/04/19

ヨンドゥ→漱石→陶淵明

二日間の休みを経て、チョンさんのリハーサルが再開。

今日の稽古場に登場したのは、なんと韓国語版『草枕』!!

チョンさんの愛読書らしいです。


この草枕に登場する中国の六朝時代の詩人、陶淵明の詠んだ一説「采菊東籬下、悠然見南山」という部分を日本語にするとどうなるのか?
という質問をされ、困まりました。
陶淵明といえば桃源郷ぐらいしか思い浮かばない上に、この漢字だけを見ても読めない・・・
レ点とか「・・・いわんや・・・おや」とか。高校で散々やったけど・・・
さっそくリハーサル終わりに書店を三軒はしごして「草枕」と「ビギナーズクラシックス 中国の古典 陶淵明」を購入。

例の漢詩の日本語読みは「菊を采る(トル)、東籬(トウリ)の下(もと)、悠然として南山(ナンザン)を見る」でした。


これは飲酒二十首(すごいタイトルだな!?)という作品の中におさめられた”其の五”という五言詩の一部で、その内容は「東の垣根の下で菊を手折り、はるかにゆったりとした気持ちでいると、ふと南山の姿が目に入った」というもの。


ここだけ取り出してもよくわからないですが、この五言詩全体を読んでみると、なぜ夏目漱石が『草枕』の一説にこの文章を載せたかが味わえます。

果たしてチョンさんがなぜこんなことを僕に聞いてきたのかはまだ不明ですが、きっとここにもチョン流哲学がちりばめられていること間違いなし!明日のリハーサルが楽しみです!

折り返し地点

昨日の話になってしまいますが、京都芸術センターのフリースペースで稽古しました。

ここは三週間後に行われる、京都の暑い夏15周年記念公演〝3×Choreography〝
の本番会場でもあります。

七週間のリハーサルも明日から四週目。チョン・ヨン・ドゥ振付作品『between』の全貌はまだ見えませんが、チョンさんのダンス哲学が凝縮された作品に仕上がってきています。

そして今日。
リハーサルが休みだったので久々に四条烏丸を下って東に入ったところにある町屋カフェmarbleへ。

このカフェは三年前ぐらいに見つけて以来、ちょくちょく寄せさせてもらうカフェです。


町屋だけあって店内は細長く、小さな中庭もあります。そして棚には本があり、閲覧自由。

ソファーに座って中庭を眺めながら本を読む、至福のひと時。

日曜日はこうでなくちゃあいけません。


最近、何もしない、何も考えない時間の大切さを感じます。忙しいから特になのかもしれませんが、ボーっとすることは尊い。今すぐには役に立たない、けれど長いスパンで考えれば、これもクリエイティブな時間なのかもしれません。


家に帰れば、長くなった日照時間のおかげで洗濯物もすっかり乾いている、良き日曜日!

2010/04/15

緻密さとユーモア


今日もチョンさんとのリハーサル。なんだかんだで三週間目。すっかりチョンさんのモノマネの上手くなってきました(笑)
チョンさんもチョンさんで今日は「融通を利かせて下さい」という日本語をマスターしました。
現場は笑いが絶えませんが、みんながひとたび踊りだすと、かなりシビアな空気が流れます。
この緻密さとユーモアの緩急がクセになるんです!

写真は黒板に書かれた振付と紅茶の保温用のカバーをかぶって安らかなティータイムを楽しむチョンさん。ものすごい落差!!

2010/04/14

本当に言いたいこと

今日のチョンさんのリハーサル後、芸術センターの近くにあるカフェでダンサー五人とチョンさんの計六人で三時間近く話しをしました。
もちろん会話は英語。
フィンランド人のエミーはもちろん、チョンさんも英語が出来るのですが、僕はものすごく集中しないと会話についていけません。

ここ二週間近くの英語漬け生活の中でわかったことは「本当に言いたいこと、心から相手に伝えたいことだけが伝わる」という単純なことです。
本当に伝えたいと思うとき、脳みそは、時をさかのぼって高校時代に必死て覚えた英単語を引っ張り出してきます。それらはすべて「伝えたい」という欲望のなせる業です。

本当に言いたい!と思った時にはすでに、フィンランド人と韓国人の間に割って入って喋ってました。。。

だからその時、自分がどんな英語で話したのかは、伝えようとすることで精いっぱいで、あとからは思い出せません。それくらい伝えることに集中していたということなのでしょうか。

今日は本当にいろんなことを話しました。ダンスについて。互いの文化について、そして哲学にまで話は及びました。。。

一人になった帰り道、僕の意見に相槌を打ってくれたエミーの顔や、チョンさんの顔を思い浮かべながら、ふと自分は普段こんなにも「伝える」ということを意識していただろうか?と考えてしまった。
舞台に立つ人間としてこのことは大いなる反省であるとともに、今後のためにものすごく有意義な時間だったと思う。

京都の不思議

今日は「人とバッタリ会う日」でした。

まず朝。リハーサル前に寄ったドトールコーヒーで僕の踊りの先生である、山田せつ子さんにバッタリ。
来週の本番に向けて京都芸術センターでリハーサルだそうで、朝からびっくりしました。

そして稽古場に早めに着くと、京都の暑い夏15周年記念公演〝3×Choreography〝のエリック・ラムルー振付作品「HYSAIS」(ユザイス)に出演する合田有紀さん、野村香子さんにバッタリ。

リハーサルを見学させていただきました。筋力を根こそぎ奪われるようなハードな振付で迫力満点です!!

そしてチョンさんのリハーサル中には暑い夏事務局のオジカさんがいらしゃいました。

帰り道、学生時代の友人にバッタリ。これから僕もお世話になった先輩のうちに行くということなので同行することに。行ってみたら舞台関係の知り合いが三人も!!芋づる式にバッタリ。

ついでに御飯までご馳走になってしまった。なんか今日は総合的に良い一日だった気がする。

2010/04/13

春の呼び声と踊りの音楽

今朝、今年初の、鶯の声を聞きました。うちのマンションの裏は山なので、自然が豊かです。たまにイノシシやサルに出くわします。そう思うと鶯なんて可愛いもんです。

さて今日でチョンさんのリハーサルも三週目となり、じわじわ本番の構想が明らかになってきました。面白くなりそうな予感がビシビシします!
写真はリハーサルで使っている元小学校の音楽室だった場所。五線譜付きの黒板には音符ならぬ舞踊譜が書かれています。落書きにしか見えないかもしれませんが、実はかなり緻密な計算がなされています。

「神は細部に宿る」と言いますが、まさに細かな振付の連続が作品を動かしていきます。その音楽はダンサーが体を上手く奏でられるかにかかっているんです。

特に今日練習した振りは、五人全員が一斉に動くパズルのようなもので、集中力が半端なく必要です。でもきちっと決まったら気持ちいいんだろうな~

より良い音楽を奏でるべく、リハーサルは続きます。

あと、今日ふと夏のソロに向けてのアイディアが一つ浮かびました。クリエイティブなことをしてる時ってやっぱり頭の回転も良くなるんでしょうか。。。

2010/04/11

金曜の夜と日曜の間


金曜の夜から今日の朝まで、ゼロ泊三日で東京へ弾丸ツアーしてまいりました。
というのも、東京の友人の送別会に参加すべく、東京での用事を一気にその日に集結させた結果、こんなことになってしまいました。。。

なのでここ三日間のことを以下、一気にまいります!

始まりは金曜日。チョンさんのリハーサルを終えてダンスカンパニーディニオスの公演を見に行きました。出演者一人一人の身体能力が秀逸で、体が効くって、それだけで素晴らしい!と思いました。

自分にはないテクニック、指向性、世界観に触れると、改めて自分はどんな方向に進みたいのか、何を目指すのか?ということを考えさせられます。

その後、京都駅にて夏のサミット「カイロー」のチラシ打ち合わせ。「カイロー」っていうタイトルに愛着が湧いてきた気がします。まだ中身はなんも決まってないけど。。。
そのまま駅から夜行バスで新宿へ

新宿の早朝。清々しく、すこぶる天気がよい。次の予定まで時間があったので代々木公園を抜けて明治神宮へ散歩。最近散歩なんてしていなかったので気持ちよかった!桜もまだまだ見ごろで、贅沢な時間を過ごす。

のち原宿で打ち合わせ。店舗の移り変わりが激しい!高校時代よく行っていた店がすでになくてショック。。。
そこからSTスポット横浜に山下残さんの公演を見に行く。初STスポット。予想していたより狭い!しかし横浜という町はオシャレだ。同じ港町でも神戸と微妙に違う。

そして残さんの公演も京都で見るよりオシャレな気がした。出演者がオシャレだ。衣裳もオシャレだ。映像とかオシャレだ。オシャレってなんだろ?

のち渋谷で前回「飛ぶ鳥」でお世話になった坂本さんに会う。打ち上げで話しきれなかったこと、最近のこと、これからのこと、などなど。

「ダンスを見るとき、技術云々よりも、その人の体に対するアプローチの仕方を気にかけて見る」という坂本さんの話になるほど。

夜、恵比寿にて送別会。なんだかんだで10年来の友人たちとくだらない話。高校時代の友人は一生ものである。北海道へ嫁ぐ花嫁と、浜松に転勤する友人に「また!」といっていつもの調子でお別れ。それぐらいがちょうどいいです。

再び横浜。深夜バスに揺られ京都へ

早朝の京都は花散らしの雨。弾丸ツアーの終焉は少しさみしい曇り空となったのでした。
明日からまたチョンさんとのリハーサルの日々が再開します!



2010/04/08

花見日和

今日はチョンさんのリハーサルメンバーと共に鴨川に花見をしに行きました!

天気も良く、少し暑いくらいの気温の中、ビニールシートを広げて、弁当を持ちより、特にに何も考えず、ゴロゴロするという最高の時間を過ごした後はバトミントンして、サッカーして、挙句の果てには川に入るというはしゃぎっぷり。

まさかここまで盛り上がるとは思ってなかったです。












2010/04/06

重力を聞く

今日はよく晴れて、京都の桜は満開です。


チョンさんのリハーサルは午前11時から始まり、午後6時に終わります。なんだか平日のこの時間にダンスとかやっちゃって、なんて幸せなんでしょ。


今日は昨日からの振付の細かいところをチェック。チョンさんから振付のポイントが細かく伝えられます。

重要なのは「重力を聞く」ということ。重力を「感じる」ではなく「聞く」というのがみそ。


体勢を変えれば重力の「言っていること」も変わります。まだまだ上手く聞き取れませんが・・・

自分の気持ちや、欲望に任せて踊るのではなく、次にどうすべきかは重力に聞けということです。これがなかなか自分でやると難しいのですが、チョンさんの動きを見ていると納得がいきます。

そして重力を使いこなすチョンさんは、かじったリンゴもまっすぐ立てます。思わず写真に収めてしまいました。ニュートンもびっくりやね。

自転車少年

ブログの内容がやっと今日に追いつきました。

今日から再びチョンさんのリハーサルが始まりました。今日は今までと違い、振付をひたすら受けました。

今日発見したことはチョンさんの動きにはつなぎ目が見えないということです。動きの細部が常に次の動きの準備をしているため、動きに無駄と滞りがない。

しかもそれらはかなり微細なレベルで行われており、見た目はいたってシンプルで簡単そうに見えます。
しかし、やってみると難しい。細部に隠されたつながりをひも解き、できるだけ細かく自分の体に移していきます。

その後に「自分にとってのタブーは何か?」という話。
そして「タブーはどこから来るのか?好き嫌いはどこから来るのか?」という話をしてリハーサルは終了。毎回哲学的な話題が持ち上がる。

かと思いきや帰り道、チョンさん一緒に自転車で走っていると急にチョンさんが「トモヒコさんはできますか?」とかいって道でいきなり自転車の曲乗りをしだし、挙句に半地下のビルの駐車場にそのまま突っ込んでいった。

少年のような37歳。まだまだこの人は計り知れない・・・

2010/04/04

昨日のはなし2

書ききれなかった昨日の話シリーズ第二弾!!
土日はチョンさんの稽古がないため休日と思いきや、こつこつとバイトしておりました。

でも夕方からは時間があったので掃除、洗濯、買い物を済ませ、アトリエ劇研にschatkammerというダンスカンパニーの公演を見に行きました。

ダンスを見るとき、目の前で踊るダンサーを見ながら、瞬時に「Yes」と「No」を判断している自分に気づきます。

その判断基準は好き嫌いという判断よりももっと速く、面白い、面白くないという間もなく、瞬間的に決定されていきます。
自分でもその判断にどんな理由があるのかわかりませんが、とにかくそれらは瞬時に判断されていきます。
そして面白いと感じるダンスにはいつも、この判断のスピードを超えるモノがあります。好き嫌いを判断するよりも速く目を奪われるもの。そういったモノに惹かれます。
あと考えたのは「回る」事について。単純になんでそんなに回るんだろう?ということ。
大抵の踊りと呼ばれるものには回転が含まれている気がする。なんでそんなにみんな回るんだろう?地球がすでにまわっているからかしら?などと考えながら楽しみました。
一時期、「止まる」ということに固執して稽古していた時期があったのですが今度は「回る」について考えてみようかしら?と考え始めた昨日の話。

今日はこれといって何もなかったけどうちの近所の神社にはすっかり春が来ていたので載せておきます。


2010/04/03

昨日のはなし

最近、いろんなことがありすぎて、ブログに書ききれない。
写真を撮る余裕もない。しかし書き留めておきたいことはいっぱいあるので、貴重な体験を噛みしめる意味でも記述、記述!

昨日のはなし。
バイトを終えてチョンさんのリハーサルに向かう途中、スタバで一休みしていたらチョンさんに偶然あった。
「トモヒコさんはeat終わりましたか?」
と、いつものように流暢な日本語と英語を織り交ぜた韓国なまりで話すチョンさん。
二人で小一時間話し込んだ。

ダンスにおける基礎とは何か?いかにそれを築いていくか?そしてそれがいかに必要なことであるか?について。
チョンさんと話していると面白い。
話している間はゆっくりと時間が流れているような気がする。
チョンさんの哲学と身体性、センスとユーモアがゆっくりと空気に溶け込んで伝わってくるように感じて、とても心地がよい。

中でも僕が好きなのはチョンさんのたとえ話だ。僕が分からない単語があると、すぐに察してたとえ話をしてくれる。
そのたとえ話の中にでてくる登場人物、シチュエーション、出来事がすべてチョンさんがどのように世界をとらえているかの片鱗をうかがわせる。

自転車とかよく出てくる。本人も自転車が大好きで「ママチャリは便利ね~」とか言う。

その後リハーサルへ

今日は前回作ったピースをつかってデュオとトリオを制作。ショーイングしてディスカッション。

リハーサルは基本英語。自分の意見を明確に相手に伝えなければならない。恐ろしく集中力を使う。

この日はフィンランド人のエミーと「どうしたら魅力的な静寂をつくれるか?」という話で盛り上がった。
中でも面白かったのは「木が動かなくても魅力的なのは成長するという目的をクリアーに持っているからだ」というエミーの話。目的がクリアーにあれば立っているだけでも魅力的だという意見。これには納得させられた。

それについでチョンさんの「じゃあ魅力は動きなのか?存在なのか?」という話も面白かった。
話が盛り上がったところで時間切れ。怒涛の5日間がひとまず終わった。土日の休みを挟んでまた来週に続く。考えることは山ほどある。

その後、定例会化しつつある造形大出身のダンサー達との飲み会へ。それぞれがそれぞれの現場で活躍し、その土産話に花が咲く。

まず日本語が通じることに感動!
そしてこうしてダンスについて話せる友人たちがいることに感謝!

「本番で養われる力と、日々の鍛錬で養われる力の違いについて」という非常にマニアックな話題とその他盛りだくさん。楽しかった。

2010/04/01

What is between?


今日でチョンさんのリハーサルも四日目となりました。
今回のリハーサルでは常にある問題が問われ続けています。その問題とは

「What is between?」です。

立つことと座ることの間は何か?歩くことと、走ることの間に何があるのか?座りながら飛ぶことが出来るか?などなど。

一見ばかばかしい子供じみた話ですが、そこにチョンさんのダンス哲学が隠されている気がします。


僕がこの四日間を終えて強く感じるのは、このリハーサルで必要とされているのは高さではなく深さであるというイメージです。


そして特筆すべきは、ほとんどの時間が、三か国語が入り交じったコミュニケーションに費やされているということです。

韓国から来たチョンさん、フィンランドから来たエミー、そして日本人である僕を含めたメンバー達が一つのことを共通に理解するのには大変な時間と労力がかかります。


そのうちに「本当に他人と理解しあうことなんてできるのだろうか?」とか「何をもってして、わかりあえたといえるのだろうか?」など頭と体がフルに回転していきます。


そのストレスに近い体の煩悶が、実はこの作品を生み出す原動力になる様な気もしています。
ただ困るのは、今回のこのリハーサルは、あまりにも体力、知力、体中のすべての力を要するので、これ以外のことを全ておろそかになるということです。

洗濯物は滞るわ、用事は忘れるわで、今、我が家は大変なことになっています。

今日から4月。新年度のスタートです。気持ちを新たに、頑張ります!