2010/05/28

木ノ下歌舞伎『勧進帳』を見る

今日はアトリエ劇研に木ノ下歌舞伎『勧進帳』を見に行きました。
単純に楽しみました。あーだこーだ言わせない面白さがあり、あーだこーだ考えさせる仕掛けがあり、出演者も皆誇らしげ。

杉原作品に出演していても思うのですが、邦生さんは空気を作るのが上手いです。羨ましい能力です。こればっかりは参考に出来るようなものではなく、持って生まれたものでしょうね。

楽しんでモノを作っている感じが作品から伝わってきます。もちろん創作の苦しみを乗り越えての楽しさだと思いますが、それが出演者の顔に表れているのが印象的でした
60デモで共演したバクちゃんも楽しそうでした。明日、明後日と公演があるのでお時間ある方は見に行ってください。
「やっぱり舞台は楽しい」と思えると思います。

木ノ下歌舞伎HP→http://kinoshita-kabuki.org/

ずいぶん先の話

今日はずいぶん先の話に翻弄される日だった。鬼も笑うほどに。でも来年とか再来年とかのことって気がつけばすぐ目の前に迫ってくるもんです。

今後どうしていこうか考える間もなく、次が来てしまうのは危険です。太田省吾さんもよくいっていました「忙しさってのは、甘い罠だな」って。。。。

とはいいつつも、バイト→ソロ稽古→森井淳さんクラスという忙しい一日。
書いてしまえばそれだけの一日ですが、チラシの入稿とか稽古場の事務手続きとかが重なってバタバタしました。
忙しい日々と、ずいぶん先の甘い罠に翻弄されつつも、一日一日を大切に、来年の本番より、今日の稽古!
と、いうことで今、夏のサミットに向けて、ソロダンス『カイロー』を改良中です。初演当初の大きなコンセプト「無音」には今回もこだわります。さらに初演では扱い切れなかった回廊という言葉の意味(初演は漢字で『回廊』というタイトルでした)について、様々な角度からリサーチを重ねています。

まずはこのリサーチを充実させる事が目標です。少しずつ全体の構成についても夢想しながら、まさに試行錯誤を繰り返しています。
写真は夏の気配が俄かに感じ取られる京都、北白川の夕暮れ。こんな写真撮ってられる内はまだまだ余裕やね。この気持ちの余裕を本番直前まで保てますようにという願いを込めて掲載。三ヶ月後が楽しみです。

2010/05/26

没頭する日々

夏のサミットに向けてに稽古は既に始まっています。本番まで3か月ありますが、たぶんあっという間です。


今回は以前踊った作品の改訂版と言うことで、根本的な部分は変わりませんが、初演では出来なかった、あるいは思いつかなかったアプローチからもう一度作品を再構成する作業をしています。

3か月で足りるかどうか・・・いや、7月には京都で試演会も予定しているので、間に合わせます!


思えば初演は去年の3月、気合だけで臨んだ初演でした。そんな作品が再演の機会を与えられ世に出るということはありがたいことです。

未だに初演を見にいらしてくれた岩下徹さんの言葉が忘れられません。

「私はもっと自由なあなたを知っています。」

この言葉があったからこそ今回がある気がします。もうすぐチラシが出来上がり、いよいよ作品作りに没頭する日々が始まります。ワクワクします。


チケット予約はひそかに受け付け始めているのです。

2010/05/24

パンをもらう、二つも。

このブログも立ち上がりから約三カ月がたちまして、ようやく夏のサミットソロダンスのチケット予約フォームが出来ました。
再演と銘打っていますが、おそらくだいぶ内容も変わると思います。
東京に住んでいる方に限らず、ぜひ会場に遊びに来て下さい。公演の詳細はNEWS欄に掲載しております!

さて、京都は昨日今日と雨、雨、雨。
寒いやら濡れるやらで気力を削がれがちでしたが、そんな時は読書に限ります。
先日のチョン・ヨン・ドゥ氏のパフォーマンスで使用した夏目漱石の『草枕』とビギナーズ・クラシックス中国の古典『陶淵明』を並行して精読。

雨が降ると、いろんな予定が狂ったり、やる気がうせたりしますが、捉え方次第でいいこともあるもんです。ダンスはスタジオだけで育つものではなく、生活と並行して養われていくものだとは、スタジオを持たないダンサーの遠吠えかもしれませんが。

帰り道、大学時代の友人と出会い、パンをもらう。パンをもらうことってめったにない。
しかも二つ。と、いうことで今日のタイトルは「パンをもらう、二つも」に決定。雨が降るといいこともあるもんです。

2010/05/21

昨日と今日の話

出ました。色々なことがありすぎてブログ更新が間に合わないパターンです。

昨日は午前中から京都芸術センターでアイダン・ターカーさんというトルコから来た女性のダンサーさんのワークショップがあったので参加してきました。
7月初旬まで京都に滞在し、ダンス作品を制作するそうで、そのためのメンバー探しの意味合いも込めてのワークショップでした。

彼女の動きの根本にあるのはオリエンタルダンスと呼ばれる、ベリーダンスの原型みたいなもの(勉強不足ですが)で、骨盤の動きが滑らかでとても美しく、何よりその体重の移動が水のごとし!すごく勉強になりました。

そこで何と偶然にも、以前木屋町のclub saiという所で一緒にイベントに出演したジャグラーのナベさんと、その彼女さんにソーグー。
さすが京都のアートの中心、ひと呼んで京都芸術センター。
本当に京都は狭いもんです。久々の再会にテンションが上がってお昼をご一緒に。

と、思ったら、そのお昼を食べに入った店で京都の暑い夏でチョンさんのオープンクラスで一緒だった方とソーグー。こうなったらもう、よくわからないけど大勢で相席して、ランチは大盛り上がりでした。

さらに其の後、自主稽古に向かった先では来週に小さなパフォーマンスを控えた後輩にもソーグー。なんかいろんな運気とかを無駄に使っているんじゃないかというくらいのソーグー率。

その日考えた振付は最高!と思っていたが、翌朝にはちょっとその熱も冷めてしまうという、これまた良くあるパターンで今日の話に続く・・・

今日は今日で中京区青少年活動センターで稽古中、来週京都アバンギルドで金粉ショーに出演する後輩にソーグー。残念ながら見に行けないが、頑張ってほしい。

その後、チョンさんの作品で共演したユイちゃんの勧めで、森井淳さんのダンスクラスを受講。改めて自分の勉強不足が身にしみる。一時間半のクラスに叡智が詰めこまれている。今後も続けて受講しよう。

そんなこんなの忙しい昨日今日で考えた事は以下の通り。

何かが起きるまでには、それが起きるまでの過程が必ずあり「それ」はどこからともなく現われるわけではない。と仮定し、何かが起きる時、「それ」が起きるための準備が、時には、目に見え無いかたちで、事細かに行われているはずである。と考えてみる。

それら、目に見えないかもしれない準備が「それ」とみなされるまで積み重なったところでやっと「その」ことは起きたとみなされる。

その準備される過程とはなんだろうか?ぎりぎりまで「それ」とは名づけられない、無数の積み重ねの正体は、果たして掴めるだろうか?あるいはわれわれは起こった「それ」をどの段階で「それ」と判断しているのだろうか?

時にダンスにおいて「それ」が「それ」と事前にわかってしまうとき、そのムーブメントの魅力が失われてしまうことがある。「それ」が「それ」に至る直前の、一番ドキドキする瞬間を保存し続けることはができたらスゴイ。

思えば、昨日今日で出会った様々な人々との出会いも、何かの準備の積み重ねの結果かもしれないし、この先の予兆にすぎないのかもしれない。「その」ところは誰にもわからない。

2010/05/18

引き出しの引き出し方

今日は来週からGALLERY RAKUで始まる倉田翠企画展『今あなたが「わたし」と指差した方向の行く先を探す』の稽古に参加しました。

三時間半の即興セッション。久しぶりにいろんな種類の汗をかく・・・冷や汗、脂汗、ただただ滴る滝の汗。

こういうことをすると本当に自分の不甲斐なさが身にしみてわかります。空間や人、そこで起きる様々な出来事と、どのように関係性を決定づけて行くか?という難題とただただ向かい合います。厳しくも貴重な時間です。

ただ、生活する上でこういうことを私たちは無意識的にすでにやっているわけで、こういった稽古の場合、ほとんどはそれを意識してやることへの葛藤に時間は費やされるわけです。

改めて思うのは、精神的な不精がたたってか、自分は信じられるものが少ないということ。それは思考回路が狭いというか、頭が固いというか、センスないというか・・・
あんまり書くとへこむのでここら辺にしておきますが、本当に貴重な時間でした。

ちょいと休憩して自分のソロの稽古へ。
体は疲れているが、よい集中が続く。集中力って、その引き出し方によっては、自分の思っている以上にあるのかもしれません。
大勢の人がいる稽古場と、たった一人でいる稽古場とでは、その引き出し方は大いに変わるはずで、その違いを上手く理解していれば、集中は途切れないのかも。

GALLERY RAKUでは、また違った集中の引き出し方が要求されることと思います。だんだんと当日が楽しみになってきました。

2010/05/17

昨日と今日の栄養

人は食べ物以外からも栄養分を吸収しているという話を本で読んだことがある。
それは例えば空気。呼吸は人が生まれてから死ぬまで続く行為の一つで、人が一生に吸ったり吐いたりする空気の量は膨大な量であるため、空気中に含まれる鉄分などは人にとって大きな栄養源であるという。
あとは視覚。鮮やかな色を見たり、刺激を受けると体が活性化する。人間って本当に良くできている。

で、何でそんな話を引っ張ってきたかと言えば、昨日と今日が全く対照的な一日だったために、その栄養の吸収量はどれだけ違うんだろ?っていうマニアックな話。

昨日はバイト先が忙しくておそらく80人くらいのお客さんを相手にし、その後、友人二人と稽古をし、そのメンバーで沖縄料理を食べに行き、その後、夜中まで飲むという忙しくも楽しい一日。

一方今日はバイト先は忙しくなく、その後も一人でカフェに行き、一人で稽古、家でご飯を食べて、洗濯して終わるという、寡黙で簡素な一日。

昨日は予定が多く、出会った人、しゃべった人も多かったため、刺激的な栄養は盛りだくさんだったけど、逆に今日はゆったりとしていたので、周りの景色が目に入ったり、考える時間が多かった。

何が栄養で何が毒かどうかは分からないけれど、身の回りには、いろんなところに栄養になるものが転がっていると思うと、元気が出る。
五月になって木々の緑が鮮やかだったり、少し深く呼吸してみたり、それらすべてから栄養をもらうことが出来ると思えば、タダで、かなり幸せな気分になります。

もう少し野菜が安くなれば、食べ物からの栄養も豊富にとれるのに・・・と思いつつ、野菜売り場を、視覚的栄養を吸収するのみで、通過するのでした。

2010/05/15

大阪に行ってきた

今日は大阪、サンケイホールブリーゼに井出茂太さんのソロダンスを見に行ってきました。はじめて行く劇場はおしゃれビルの7階。ビルの中は様々なセレクトショップがひしめき、美味しそうなレストランやカフェが沢山!
最近忙しくてお店をブラブラしたりする時間がなかったので、しっかり楽しんできました。

写真はブリーゼビルのマスコット、その名も「ブリーゼくん」。
二時間に一回ぐらい動くんだって。
しかし、大阪にたまに来ると行きかう人々が微妙に京都と違うことに気づかされます。なんていうか、エッジがはっきりしてる感じ。京都はもう少しやんわりしてる人が多いので、梅田の駅とかちょっと緊張します。

井出さんのソロも当日パンフレットに「ウエスト・バージョン」と書いてあったので、どうやら大阪公演用にアレンジされていたみたいです。

やっぱり関東と関西では人が違う分、お客さんの反応もだいぶ違うようです。どんな人に何を見せるのか?どこで活動し、何を届けるのか?ってことですな。

ブリーゼくんですら二時間に一回しか動かないというプレミア感をしっかり演出しています。ちょっと動くの見ておけばよかったなぁ・・・

2010/05/13

Hot Summerの名残

今日は久々のバイトを終え、大学カフェにて夏のソロダンスに向けての打ち合わせ、その後、稽古という一日でした。

なんだかんだで三ヶ月後には本番です。と言いつつも、全く焦る気もなく、今日は先輩、後輩、二人のダンサーと三人でゆるく稽古しました。

今回の暑い夏ワークショップのおさらい会みたいなことを延々三時間ぐらい・・・
人と稽古するのは本当にいい勉強になるし、何より楽しいです。一人で悶々と稽古するよりよっぽど健康的です。

あたりまえだけど男性と女性の体の違い、同じ男性でもその質の違いというものが改めて感じられた稽古でした。あと日本語通じるって楽やなぁと実感。。。

帰宅後パソコンにはワークショップで知り合いになった方からメールが来てました。こういう繋がりは大事にしたいもんです。
ダンスを媒体に世の中と如何に関わるかってことを、漠然と考えながら、眠りにつきます。また明日も早朝からバイトなり。

2010/05/11

新しい日々


ここ一ヶ月のリハーサルで少し浮世離れした気分でいましたが、世の中はゴールデンウェークを終え、確実に動き出しています。

フィンランドから来たエミーは今頃、東京観光かしら?チョンさんは無事韓国に帰れたかしら?などと思いつつ、さあ自分はこれからどうしたもんか?などと、昨日は一日ボーっとしながら考えていました。


次の予定はもちろんあります。近いところでは来月頭、後輩の企画展にゲストで参加し、踊ります。やる事は山ほどあります。しかし、意外なほどに気持ちは落ち着いています。

今回の作品に出演したことで自分にとっての発見が沢山ありました。必要なことは何か?何が譲れないか?そして反省すべきことのあれこれが、静かに響いている感じです。

当面は夏のソロダンスに向けて動き始めます。7月末には京都アトリエ劇研にて試演会を行う予定です。詳しいことが決まり次第、NEWS欄にアップするのでチェックしてみて下さい。

写真はエミーが別れ際に「I'ts you !」つって、くれたサイコロキャラメルです。霊長類最強という評価をいただきました。


2010/05/10

「between」終了!

昨日一ヶ月に及ぶクリエーションを経て、チョン・ヨン・ドゥ振付作品「between」は千秋楽を迎えました。

本当にたくさんのことを学びました。書ききれないですが、一言では言えませんが、あえて一言でうなら、この写真

2010/05/09

公演初日!

今日、京都の暑い夏15周年記念公演〝3×Choreography〝の記念すべき初日が終了しました。
客席は満席で立ち見も出たようです。

今日初めて直前の全体リハーサルで他の二作品を見ることが出来ました。写真は本番前の安らぎのひと時、エマニュエル・ユインの娘さんと遊ぶチョンさん。韓国にいる愛娘が恋しくなってきたみたいです。


今回の三作品は、それぞれ本当に違ったアプローチでダンスを作っていて、改めてダンスの可能性、体の可能性について考えさせられました・・・と書きたいところですが、正直それどころではなく、自分たちの作品で精いっぱいでしたが、本番は本当に楽しめました。
何より本番中にエミーと目があってお互いの存在を認めあえたような気がしたのが嬉しかったです。この一ヶ月一緒に苦労してきた分、絆も深まった気がします。
明日の公演が最後だと思うと寂しい気もします。
しかしダンサーは踊ることで、普段とは異なる時間軸を生きることができます。その時間、その経験は体の記憶として蓄積され、いつかまた、ふとした時によみがえる事があります。
今日明日の本番がよく体に沁み込み、またいつか再びこの体に帰ってくることを願いつつ、明日も頑張ります!

2010/05/07

for the 「between」


時がたつのは速いもので明日はチョン・ヨン・ドゥ振付作品「between」の本番です。

今日は照明と音響を交えたテクニカルリハーサルがありました。明日の本番に向けて着々と準備が進んでいます。写真はお手製のお弁当を食らうユイちゃんと、メールする様も絵になるエミー

思えばこの一か月、本当に速かったです。リハーサルが始まった当初はどうなる事かと思いましたが、明日からはもう楽しむだけです。チケットは満員御礼、完売状態です。
より多くの人々に満足していただける作品になるよう、頑張ります。ということで今日は早く寝て、明日に備えたいと思います。おやすみなさい!

2010/05/05

オープンリハーサル

今日は普段リハーサルをしている京都芸術センターのイベントがあり、われわれもその一環としてオープンリハーサルをしました。
要は普段稽古している姿を公に公開し、作品が出来上がるプロセスを見てもらうという趣旨のものです。
しかし、ふたを開けて見れば、結構本格的に舞台と客席が組まれ、ほぼ本番みたいなもんでした!

照明も音響も割としっかりしていましたが、衣裳とか普通に稽古着だったのでちょっとアンバランスでしたがダンサーとしては本番さながらの環境で稽古が出来たので良かったです。

オープンリハーサルには暑い夏ワークショッップで一緒だった人や講師の先生方が見に来てくれていろいろ感想を聞くことが出来ました。

余談ですが僕は公演後、大抵見た人に「おもしろかった」といわれます。しかもちょっと半笑いで。
そう言われることはもちろん嬉しいのですが「半笑い」の意味が毎回気になるところです。

かつて僕の踊りは「ダンスではなくて体を張ったギャグだ」と言った人がいましたが、なんか僕の動きはネタ的な要素があるようです。半笑いの原因はどうやらそこのあるようです。

そこを深く考えて見ると、やっぱりどうしてもテクニックの問題にぶつかります。
僕の踊りはテクニックの無さを何かネタ的なもので無理やり補う傾向があります。力技的に。
前向きに考えればそれも一つの武器です。しかし自分の中でもうすでにその武器を使うことに戸惑いが生まれているのも事実です。

これからどんなにテクニックを磨いても本質的なネタ気質は変わらないとは思いますが、もう少し力技以外のところを学んだほうがダンスがもっと自分にとって楽しいものになる気がします。

チョン・ヨン・ドゥ哲学によれば「ダンスのために人生があるのではなく、人生を楽しむためにダンスがある」んだそうですから。

2010/05/02

世界のダンサーたち

今日はワークショップ終了後のリハーサルに韓国から来たチョンさんのカンパニーのダンサー達が見学に来ました。
so youngさんとso yeunさんとyun jungさんです。
韓国語は微妙な発音の違いでだいぶ意味が違うみたいで難しいです。でも何となくアジア圏の人なので親しみが湧き、同世代ということもあって、すぐ仲良くなりました。

また今日の朝のクラスではナ・クラムさんというインドから来た男性とペアでストレッチをしました。最初は互いに触れ合うことに緊張がありましたがワークの後半になるにつれて互いの重心やどこまで体が伸びるかなど、だんだん情報が増えてきてスムーズに事が運べるようになりました。

多くの問題は「知らない」ということから派生すると言いますが、まさにそうで、互いのことを知らないから怖いし、勝手にイメージを先行させてしまったりすることが多々あります。かといって「知る」とは何かという問題があり、知った気になるのも危険です。自分の体に関しても、人の体に関しても。国や文化にも当てはまるかもしれません。

この一ヶ月のチョンさんとのリハーサルに加えここ一週間のワークショップで、すごく豊かな経験をしていますが、ぼちぼち肉体的に少し疲れてきました。。。
明日は朝のワークショップはありますが夜のリハーサルはないのでゆっくりしたいと思います。

何かになるために

京都の暑い夏には本当に様々な人が参加しています。いろんな人がいろんな形でダンスに関わって生きていることに、勇気をもらいます。
そしてそんな人々の話を聞いていると自分のダンスに対する考え方もずいぶん影響を受けます。
考えて見れば僕はダンスを始めて今年で四年目になるのですが、本当に幸運なことに、今まで良い巡り合わせが重なって今日まで来ただけで、僕自身は本当にダンサーと呼ばれるには程遠いです。

素晴らしいダンサーたちに囲まれていると、本当にそれを身にしみて感じます。
でも大切なのは憧れを持ち続けることだとも思います。なれないからなろうとすること、出来ないから出来るようになろうとすることが、何かになるための唯一の方法だとも思います。

今回のワークショップ会場にはそんな人たちがたくさん集まってきています。これだけのハードスケジュールをこなせるのはそんなパワフルな人たちに囲まれているからかもしれません。明日も朝から20名以上の人たちが芸術センターに集まります。
それってよく考えたらすごいことです。

2010/05/01

チョン・ヨン・ドゥマジック

今日で京都の暑い夏国際ワークショップも4日目を迎えました。
毎日、朝から晩まで踊りっぱなしです。今日で全ての講師の授業を見学しましたが本当にそれぞれ素晴らしい身体性と思考性、哲学を持っていて、毎日が驚きの連続です。
でもやっぱり僕にとって一番魅力的に思えるのはチョンさんです。

今日のリハーサルでも、僕がダンサーの一人を持ち上げる動作に苦労しているとチョンさんが一言「チョコスティックをつまむと思ってやりなさい」といって完全に問題が解決しました。

いや、べつにチョコスティックがどうとかではなくて(笑)重いと思うから重いんだという話で、人はどれだけ固定概念に囚われがちかということなんですけど、あまりにもチョコスティックの一言で問題が解決したことに驚きを隠せませんでした。

もちろんその後にもう少しテクニカル的な補足もありましたが、僕にとっての問題点はほぼ一言で解決されました。

「出来ないと思うから出来ないんだ」というと精神論的で出来ない人にとっては苦痛です。
しかし、モノは言いようで「出来た経験を思い出して、それが出来た自分を信じてみなさい」と言われると出来そうな気になります。これも一種の精神論ですが、そこにチョコスティックを持ってくるあたりがチョンさん流のやり方で、自分にはとてもしっくりきます。

と、言いつつ、今になってチョコスティックって具体的になんだろ?と思ってしまいましたが。。。

まあそれはいいとして、今日作品にとって大きな変更があり、全体の構成が一気に変わりました。それによって作品が一気に立体的になり、明確なコンセプトを持ち始めました。これからが楽しみです。

明日からもチョン・ヨン・ドゥマジックは続きます。写真は割れたゆで卵を熱心に撮影するチョンさん。たまに、この人は普段何を考えてるんだろう?と思うことがあります。